神戸大学

神戸大学 大学教育推進機構

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授業紹介(神戸大学でのフランス語科目)

神戸大学では、学部1年生の1年間、ドイツ語・フランス語・中国語・ロシア語の4言語から1つを選択し、その言語を週に2回、1年間かけて学修することになります。
フランス語の授業がどのような雰囲気なのか、実際に授業を担当されている先生の文章を紹介しておきます。
また、後期にはSクラスという選抜クラスも開講されます。そちらの案内もこのページで紹介しています。

フランス語初級A:文法の基礎を学ぼう 岩本 和子 先生(国際文化学研究科・教授)

フランス語初級A(Q1~4)では何を学ぶのでしょうか。フランス語は日本語と全く異なる言語ですから、抽象的理論に思える文法、つまりシステムの理解と習得は必要です。授業では文法説明の後、練習問題(宿題、ペアやグループでの確認、全体での答合せ)、小テスト(単語・表現・動詞の活用などの暗記、聞き取り、訳など)、クォーターごとの復習試験などを通して理解と習得を進めます。並行して行うフランス語初級B の授業では会話や読解といった実践的な練習が中心になりますが、文法授業でも学んでいるのは「生きたことば」だということを忘れずに、単語や文章を音読し、応用して会話し、さらに言葉を通して社会や文化にも触れ理解を深めてもらうことを目指します。学部やクラスによって進度や授業方法は少しずつ違いますが、私がよく行う内容を簡単に紹介しましょう。まずはアルファベット26 文字と文の基本的構造が英語と同じだと確認します。綴りと発音には明確な規則があり、それを覚えさえすればどんな難しい文章も(意味は分からなくても)正確に読めるのですが、少しずつ慣れていくためにもテキストのフランス語は常に音読を心がけました。基本的な挨拶もまず声に出して言ってみます。Çava? サヴァ?、Bonjour ボンジュール、Bonsoir ボンソワール、Au revoir オルヴォワール、Merciメルシー… 自己紹介も(発音略):Je m’appelleMarie. 私はマリーと言います。 Je suis étudiante.学生です。 J’habite à Kobe. 神戸に住んでいます、など。
日常使う名詞を覚えましょう。父、母、兄、妹、叔父、娘など生物はもちろん、すべてのものが男性名詞と女性名詞に分かれています。本、机、窓、木、お茶や「愛」「勇気」、国の名前までも。名詞の前に付く冠詞の形が異なるので男女どちらなのかは知っておかねばなりません。la France(ラ・フランス)、le Japon(ル・ジャポン)のようにフランスは女性、日本は男性です。なぜなのかは聞かないでください。複数名詞にはs がつき、冠詞もまた別形です。名詞を修飾する形容詞も、一緒に男か女か単数か複数で形が変化しますが、それぞれe かs を付けるだけです。動詞、特に述語動詞は主語に合わせて語尾の形が変化します。動詞の活用形と言って文法学習ではいちばん時間をとると思います。多くは規則的に活用します。日常よく使う動詞で特殊変化をするものは覚える方が便利です。現在形、過去形(助動詞と組み合わせるものが基本ですが、継続的な過去、過去を起点とした過去など変化球も)、未来形、条件法(仮定法のようなもの)などがあり、表現の幅が広がります。その他に人称代名詞(主語、目的語など)、関係代名詞、疑問詞なども学びましょう。
英語の応用でできそうですね。あとは辞書やネットを活用すれば1 年間で学んだ文法をもとに文章が読めるはずです。その気があれば日常会話もできるようになります(なってほしいです)。
授業ではフランス語や文化にできるだけ直接触れる機会も作るようにしています。フランス語が公用語であったり、かなり通じる国は、フランスだけでなく世界中にたくさんあります。ベルギー、スイスなど元々ほぼ同じ言語を使う地域、カナダのケベック州などフランス人移住者の子孫の多い地域、アフリカなどの元植民地、カリブ海の島々などの海外領土(フランス国籍です)。フランス国内でもパリだけでなく各地域の特色があります。そんな各地の街や人々の暮らしを映像で紹介しました。現在人気のポップ歌手や歌の紹介(フランスのLouane とかベルギーのStromaë とか...)フランスでの和食や漫画の驚異的な人気の紹介(特に2018 年は日仏修好160 周年で日本文化紹介のイベントが目白押しでした)、フランス語のマンガBD の紹介(『タンタン』は知っていますか?)、フランスでヒットした最近の映画鑑賞なども。 グローバル化社会で生きていくために、英語の必要性は言うまでもありませんが、その土地の言葉を通して、フランス語ならばフランス語圏の地域、さらに広い世界への興味と理解を培ってください。

インテンシブ・クラス:フランス語初級SA・SB 廣田 大地 先生(国際コミュニケーションセンター・准教授)

フランス語Sクラスとは?

1 年次後期(3Q・4Q)の「フランス語初級 A3・B3」ならびに「フランス語初級 A4・B4」のかわりに履修可能なインテンシブ ・コースです。SA3・SA4は日本人教員の廣田が火曜5限に、SB3・SB4 はフランス人教員が木曜5限に担当します。

応募資格は?

第二外国語としてフランス語を履修している神戸大学の1 回生です。(ただし、医学部の学生は、 残念ながら学部によりS クラスの履修が認められていないため応募できません。)

SAクラスの特徴は?

通常のA のクラスと同様、SA でも主に文法の学習を行います。進度や難易度にも通常クラスとそれほど違いはありません。ただし、SA クラスでは、英仏文法の比較や聴きとり問題などの様々な活動をペアワーク形式で主体的に行ってもらうため、文法の学習に割かれる授業時間は通常クラスよりも短くなります。そのため、予習・復習を自主的にしっかりやっておくことがSA クラスの履修者には求められます。(フランス語の勉強が好きという人でも、授業時間中には練習問題をたくさん解いていきたいというタイプの人は、通常クラスの方が向いているかもしれません。)また、神戸BEEF 上での練習問題や、Quizlet などのWEB サイトを用いた学習も毎回行います。

SBクラスの授業内容は?

SB では、フランス人のネイティブ教員により主に会話練習を行います。通常のB の授業よりもさらに、実践的なフランス語能力を培うことに重点が置かれています。1 年生のクラスの目標は、準備なしでおよそ5 分間の会話に参加できるようになることです。授業時間の初めには前回の学習内容を範囲とした小テストを行い、また授業中盤にも5 分間の会話テストを行い、それらの積み重ねによって成績が決まります。学年の最初で全然わからない言語で数分間の会話をすることは難しいように思えるかもしれませんが、よく準備をしておきさえすれば、それほど難しくないはずですよ。

授業の雰囲気は?

フランス語を意欲的に学習したいという学生が集まるため、通常の授業よりも少し課題が多かったり、難易度の高いことにも取り組んでもらったり、ということも当然あります。ただし、教員が一方的に指導するというよりも、学生の主体性を重視して、アットホームな楽しい雰囲気になることを心掛けています。

交換留学に興味があるのですが・・・

毎年、S クラス履修者の中からフランスへの交換留学生が数多く出ています。S クラスには、交換留学などに興味のある学生が毎年多数集まってきていますし、留学を経験した先輩との交流も深めるきっかけにもなります。留学の準備をしていくためのネットワーク作りにもS クラスはお勧めです。

教科書は?

文法クラス(SA3・SA4)では、神戸BEEF での練習問題や配布プリントを中心に授業を行うため、新たに教科書を購入する必要はありません。実践クラス(SB3・SB4) では、教科書を使用するため、授業初回に購入に関しての説明があります。

申込方法は?

7 月中旬ごろにフランス語の各クラスにおいて、Sクラスの案内チラシを配布します。そこに記載されている内容に従って、WEB 上で申し込みを行ってもらいます。定員超過となった場合は選考を行った上で、9 月中旬までに履修可否を共通教育事務前(国文キャンパスK 棟)にて発表します。選考のために、申し込み時には簡単なフランス語作文を書いてもらいますので、Sクラスの履修を希望する人は、前期の内からフランス語の基礎をしっかり勉強しておくようにしましょう。

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