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2014年1月16日更新

学術講演会

2014年1月30日(木)15:10 理学研究科Y202講義室

時間分解電子スピン共鳴法による有機分子の光エネルギー変換機構の解明
小堀康博博士(神戸大学教授)
15:10-15:50

パルス光の照射で生じる中間体の磁気的性質をナノ秒領域で検出する時間分解電子スピン共鳴法を用い、有機薄膜太陽電池基板の光照射直後に生成する負電荷と正電荷の正確な位置や向きの観測に初めて成功しました。高分子材料の分子運動(フォノン効果)によって、フラーレン誘導体(PCBM)と高分子材料(P3HT、P3DDT)の相界面で生まれる負電荷と正電荷の間の距離が伸び、電極に運ばれることが分かりました。さらに、界面付近の高分子材料による領域では自己組織化による規則的な結晶相が形成されており、この結晶性により正電荷の分布に大きな空間的広がりを生む様子が見いだされました。以上により、フォノンと結晶性の相乗効果で電荷再結合を抑制しながら電荷を無駄なく電極に伝達し、効率よく光電流ができる仕組みが実験的に解明されました。

可視から赤外域の過渡吸収測定による光触媒反応の機構解明
山方啓博士(豊田工業大学准教授)
16:00-16:40

光触媒反応はバンドギャップを励起して生成する光励起キャリアーが反応分子に移動して進行する。したがって、反応機構を解明するために はこれらの光励起電子と正孔の挙動を理解する必要がある。光励起電子は赤外域に吸収を持ち、正孔は可視域に吸収を持つ。したがって、可視から 赤外域まで過渡吸収を測定すると、光励起電子と正孔の動きを観察することができる。この手法を用いて助触媒に電子や正孔が移動する様子、異種光触媒接合界面における光励起キャリアーの動きを調べた結果について発表する。

ご来聴を歓迎いたします     

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