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2012年9月15日更新

創製光分子科学セミナー

2012年10月11日(木)15:00 理学研究科Z401講義室

酸化物半導体光触媒粉末および光触媒電極による水分解
岩瀬顕秀博士
(東京理科大学助教)15:00-16:00

昨今の環境・エネルギー問題の根本的な解決策の一つとして,自然エネルギーに対する期待が高まっている。光触媒を用いた水分解は,クリーンに水から水素を作り出すという魅力的な反応である。本講演では,光触媒粉末を水中に分散させた縣濁系および光触媒粉末を導電性基板に塗布した電極系による水分解反応について,講演者の研究を中心に発表する。

可視光応答型光触媒BiVO4の電荷・格子ダイナミクス
相賀則宏
(京都大学博士課程1年)16:00-16:20

光触媒BiVO4は酸化剤の存在下で可視光照射により水から酸素を生成する光触媒であり、Z-スキームを用いた可視光による水の完全分解への応用が期待されている。光触媒の反応機構を解明するためには、光照射で生成した電荷の触媒表面への輸送など電荷が関わるダイナミクスの理解が重要である。本研究ではフェムト秒過渡吸収分光法によりBiVO4の電荷の挙動を調べるとともに、粒子表面のホールトラップサイトに局在したコヒーレントフォノンの生成を初めて観測した。

時間分解赤外分光法によるSrドープNaTaO3光触媒の再結合反応の研究
古橋幸嗣
(神戸大学修士課程2年)16:20-16:40

NaTaO3は紫外光照射下において高い水素生成活性を示す光触媒である。様々な比率でSrをドープしたNaTaO3光触媒の励起電子-正孔の再結合速度を時間分解赤外分光法を用いて調べたところ、再結合を遅くする作用と、再結合を速くする作用をSrはドープ量に応じて発現することが分かった。これらの作用のメカニズムを含めSrが光触媒に与える影響を考察する。

RhドープSrTiO3エピタキシャル薄膜の光電気化学特性
川崎聖治
(東京大学修士課程2年)16:40-17:00

RhドープSrTiO3は、可視光応答型光触媒として高い水素生成能を有することから注目されている材料である。本研究では、この材料を高品質なエピタキシャル薄膜にし、その光電気化学特性を評価した。未ドープのSrTiO3は典型的なn型材料であるが、RhドープSrTiO3は強いp型特性を有することが示唆された。これまで、Rhの価数状態や薄膜の膜厚依存性を調べてきたので、今後の展望を含めて研究を紹介したい。

ご来聴を歓迎いたします     

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