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2010年7月6日更新

神戸大学自然科学系先端融合研究環 創製分子光科学セミナー

2010年7月8日(木)14:25-17:00 理学研究科Z302講義室

超高速赤外分光による溶液中の分子間相互作用ダイナミクスの観測:分子間水素結合系への応用
伴野元洋博士(神戸大学分子フォトサイエンス研究センター)14:25-15:10

プロトン性溶媒中の極性分子は,周辺に存在する溶媒分子と水素結合を形成し,その強い相互作用エネルギーは化学反応に多大な影響を及ぼすと考えられる。本講演では,超短赤外パルス光を用いた時間分解分光手法によって観測された分子振動ダイナミクスをもとに,溶質溶媒間水素結合相互作用に関する議論を行う。

ヘテロダイン電子和周波発生(HD-ESFG)分光法の生体分子高次構造決定への適用
細井晴子博士(東邦大学理学部生物分子科学科)15:20-16:05

ヘテロダイン電子和周波発生分光法は、界面分子の絶対配向を決定する方法である。現在、本手法を用いて、膜タンパク質やタンパク質複合体の高次構造(トポロジー)を決定する、新しい方法論の開発を進めている。本講演では、αへリックス構造をもつモデルペプチドと膜貫通タンパク質について進行中の研究について報告する。

超短パルスレーザーを用いた励起状態と反応ダイナミクスの制御 -固体表面と液相を例にとって-
冬木正紀博士(神戸大学自然科学系先端融合研究環)16:15-17:00

電子‐格子相互作用は物質界面におけるナノスケールの物理・化学的性質を決定する。本講演では電子励起がどのように吸着原子のコヒーレントな振動を引き起こすのかを、アルカリ金属原子が吸着した遷移金属表面において行ったフェムト秒時間分解第2高調波発生計測の結果を基に説明する。講演の後半では、化学反応の制御を目標として光異性体の過渡吸収の2パルス相関を測定した結果を基に、シアニン色素における新しい光異性化反応経路の発見と量子収率の制御について説明する。

ご来聴を歓迎いたします。セミナー終了後に18:00から学内レストラン「さくら」で講演者を囲む意見交換会をひらきます。     

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