神戸大学

神戸大学 大学教育推進機構

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授業紹介(神戸大学での英語科目)

Academic English Literacyの授業実践:論文を検索し引用しながらAcademic Englishを使う
木原 恵美子 先生(国際コミュニケーションセンター・准教授)

私のAcademic English Literacyの授業はBEEFを使った反転授業で、受講生は自宅で課題に取り組み、課題を授業開始前にBEEFに提出してから、授業に出席し、教室でグループワークに取り組みます。
■本授業の目標
教科書の内容に基づいて課されるリサーチクエスチョンに沿って、論文をGoogle Scholar, CiNii, J-Stageなどで検索し、論文に記載されているデータを引用しながら自身の主張を英語(4-6段落)でまとめることを目指しています。
■論文を検索する
アメリカの大学教授が執筆したペーパーバックを教科書として使います。受講生の学部に合わせて、心理学、行動経済学、統計学などの入門的な本から教科書を選びます。そして本の中で議論される学術的なトピックに沿って、受講生は論文を検索します。最初はトピックや自分の主張にあった論文を見つけることに苦労する学生が多くいますが、この課題に6-7回ほど取り組むと、少しずつ論文の検索方法がわかってきて、短い時間で自分の主張にあった論文を見つけられるようになる受講生が多いです。
■序論には何を書くのか
レポートにまとめられそうな論文を見つけたら、次は序論-本論(データの引用-データの解釈-帰結)-結論という型に自身の主張を落とし込みます。しかし、この作業にも慣れていない受講生が多いため、序論で何をどこまで書けばいいのかわからない受講生が多いです。そのため、授業では教員が10名ほどの受講生のレポートを取り上げて、それぞれのレポートに対してフィードバックを行い、さらに受講生がお互いのレポートを読みあうピアフィードバックも行うことで、序論には何をどのように書けば読み手に伝わりやすいのかを、他者からのフィードバックを通じて確認する作業を重ねます。
■図表を引用する
図表を引用するときは、数値の増減のみを言及しがちです。けれども、そもそも何を示すために図表を引用するのか(引用目的)、引用した図表から何が言えるのか(帰結)も述べられているかどうかも、授業中に教員や受講生と一緒にあらためて確認します。
家で1人でパソコンに向かってレポートを書いているときには問題を感じなくても、教室で教員や他の受講生と一緒に確認するとそこで初めて気がつく自身のレポートの課題(悪い癖)がいくつもあります。そのような自身の学習課題と向き合って改善するというサイクルをこの授業では繰り返すことで、受講生が自律した書き手になるための最初の一歩を一緒に踏み出します。

Academic English Communication の授業実践 ―遠隔授業での取組―:リスニング・スピーキング両面の練習を通して、Academic Englishに慣れる
柏木 治美 先生(国際コミュニケーションセンター・教授)

私の授業紹介では、2021年後期に行ったAcademic English Communication の授業についてご紹介します。2021 年度も引き続き新型コロナウイルス感染抑制のため、発話を伴う授業は遠隔中心の授業となり、神戸大学学修支援システム (Learning Management System) BEEF や zoom を使って授業を行いました。
■本授業の目標
この授業では、日本人学習者が苦手とする音の変化や長い一文の聞き取り練習、英語でのレクチャーを題材とした内容の聞き取り、グラフや図の内容を英語で説明する練習を行うことで、聞く力・話す力を中心に、将来の学術研究や仕事に応用できる基礎的な英語運用能力を身に付けることを目指しました。ここでは、音の変化や長い英文の聞き取りとグラフや図の内容を英語で説明する練習を中心にご紹介します。
■音の変化や長い英文に慣れる聞き取り
リスニング練習はただ単に聞いているだけではなかなか上達が難しく、目的に応じた練習を組み合わせながら進めていくことが大事になります。例えば、音の変化に慣れる、一文が長い英文に慣れる、スピードに慣れる、まとまった英文の内容をとる、語彙力を増やす、などが考えられます。本授業では、音の変化に慣れる、一文が長い英文に慣れる、ことに取組みました。
音の変化に慣れる
英文が実際に話されると、単語同士がつながって聞こえるため、単語単体で発話される場合と異なる音で聞こえます。そして、この現象は短い単語の場合に顕著になります。例えば get out のような短い単語が続くと、極端な場合、「ゲラッ」しか聞こえないといったことがあります。映画やドラマの聞き取りにはこういった音の変化に慣れることが重要になります。授業では課題として、連結(前と後ろの単語の音がつながる)、脱落(文字では書いてあるが実際には発音されていない)、同化(前後の子音が互いに影響し合い、別の音に変化する(例 meet you 等))、弱形(前置詞、代名詞、助動詞、冠詞など機能語が弱く発音される)など音の変化を含む英文のディクテーションを行い、課題提出後に正解を確認してもらいました。そうすることで、自分にはその英文が実際にどんな音に聞こえるか、そして自分が聞き取れる部分・聞き取りづらい部分がどこかを意識することができます。
長い英文の聞き取りに慣れる
短い英文なら聞き取れるが、関係詞や形容詞句・節、分詞構文などが含まれて、一文が長くなると、途中から意味がとれなくなる場合があります。関係詞などが出てきた場合に、戻り読みすることに慣れていると、リスニングの際にも同様のやり方で意味をとろうとし、戻って訳そうとしている間に、英文は次に進んでしまい、意味がとれなくなってしまう、といったことになります。このような英文を聞き取る場合は、「~で、その人は―」「~で、その場所は―」等、前から聞こえてきた順に意味をとることに慣れることが重要かと思います。授業課題では、関係詞や句・節、分詞構文などが含まれた英文を聞き取り、意味を答えてもらいました。そうすることで、長い英文の意味を取ることに慣れ、自分が意味の取りづらい表現を意識することができます。
■グラフや図の内容を英語で説明する
グラフや図の説明は、レポート作成や将来の仕事でも必要となる題材で、数値や図をもとに、特徴的な点や変化を述べる、比較するなどが求められます。授業課題では、円グラフや棒グラフ、工程を説明した図などを課題としました。何のグラフや図かを説明し、概要や特徴的な点、変化などを順序よく詳細を含めて説明する、そのために必要な英文構成や関連表現を身に付けてもらいます。
各クォーターの最後には、zoom 上で課題のグラフについて英語で説明してもらいました。1 人ずつ発表を行ってもらうことで、聞き手に対して説明を行うことを意識することができます。
外国語学習は継続が何より大切ですので、途中でストップしても、そこからまた始めていただき、続けることを目標にがんばってくださいね。

ネイティブ教員による英語授業
Dr. Tim Greer(国際コミュニケーションセンター・教授)

At Kobe University many of the professors will give you an opportunity to learn English in English. Eventually you may start to think in English and won't have to translate back to Japanese as much, something that can slow down your fluency. A class delivered completely in English can be difficult at first, but you should try to see it as an opportunity to experience a study-abroad classroom environment without having to leave the country.
In my English Communication classes, the focus is on academic discussion skills. You will usually find us sitting in pairs or small groups, talking about all sorts of debate-worthy topics, including body image, employment aspirations, bullying and share-housing. Often we start by talking about a picture, working through a list of questions, or viewing a short movie clip of someone answering a similar question in natural English. We also use YouTube to listen to popular English songs that are relevant to the themes of the day, which is a great way to pick up new vocabulary. Depending on the activity, we also sometimes use iPads in class to make the discussions even more meaningful. An exam in such classes never involves writing responses on paper—it is more likely to consist of a video-recorded discussion, role-play or presentation.
I also teach in the ACE program, a streamed course of classes in the Fall semester that challenges first-year students with strong English skills to take their academic English to the next level. ACE stands for Accelerated Course in English. The capstone event for this program is a student conference that takes place in January. There the participants present in English at their first ever academic conference. In the third quarter they choose a topic and research it by writing summaries of academic articles they have found. In the fourth quarter those summaries become the basis for a literature review they write for their Academic English Literacy class and a presentation they deliver in their ACE Academic English Communication class. Along the way, students also develop a host of other skills that are integral to university life, such as how to cite papers in APA or how to find articles on Google Scholar.
All of these accomplishments come together through the process of organizing the student conference, an event that inducts students into the life of a scholar. In order to achieve this, the ACE program is coordinated across classes and follows a core syllabus that is implemented by a highly qualified team of native English teachers.
Whether you are in the ACE program or any of the university’s other English classes, the most important thing to bring to class is a positive, enthusiastic attitude. We are looking for students who are willing to try to speak English, not students who expect to speak it perfectly every time. Active learning means that you should not just patiently wait to be told what to do or what to learn, but you should instead take an active interest in discovering what you want to learn and then work to make that a goal of your own.

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