神戸大学

神戸大学 大学教育推進機構

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神戸大学での新しい英語の学び

外国語第Ⅰ教育部会長 石川 慎一郎(大学教育推進機構 国際コミュニケーションセンター・教授)

新入生のみなさん、ようこそ神戸大学へ。

 神戸大学の英語教育を担当する大学教育推進機構 教養教育院 外国語第Ⅰ教育部会の代表として、また、かつて、皆さんと同じように、鶴甲で一般教養の英語を受講した神戸大学のOBの一人として、皆さんの入学を心より歓迎します。

 さて、これから始まる大学の英語について、皆さんはどのような思いを持っておられるでしょうか。もしかすると、入試のための学習に疲れ、すでに英語に飽き飽きしている方がいるかもしれません。

 しかし、大学の英語は、単に高校英語の延長線上にあるものではありません。中核的な研究大学の一つである神戸大学の英語教育は、グローバル社会を牽引する次世代リーダーを育てるべく、研究や仕事の場面における幅広いリサーチに必要となる「学術英語(Academic English)」の習得を目標とするもので、以下の3点を全体理念としています。

  ①英語を用いた国際的な学術研究の重要性に対する理解を深める
  ②「複眼的に思考する能力」および「多様性と地球的課題を理解する能力」を伸ばす
  ③読む力・書く力および聞く力・話す力を中心として、学術場面で要求される英語の諸技能の綜合的な運用能力を向上させる

 上記の理念に沿い、1年次に開講される「Academic English Literacy」(略称AEL)と「Academic English Communication」(略称AEC)という2種類の必修科目(※一部学部を除く)では、「グローバル社会の主要な共通言語(リンガ・フランカ)となっている英語について、その運用能力を向上させるとともに、学術英語運用力も高める」ことを目標としています。

 AELでは「読む・書く」に、AECでは「聞く・話す」に重点を置きながら、「4 技能を統合した指導を行い、学術研究で要求される学術英語の基礎を総合的に養成」することが目指されています。いずれのクラスにおいても、単に英語を読んだり聞いたりするだけでなく、身近な問題に関してリサーチを行ったり、リサーチの結果を英語で発表したりする活動が多く用意されています。また、後期に開講される選抜制のAccelerated Course in English(略称ACEコース)では、外国人教員の指導のもと、AELとAECの授業を一体運用し、年度末に、学生主体の英語カンファレンスを開催することで、現代のリサーチやビジネスで求められる高度な英語力を着実に養成します。

 このほか、英語関連の科目として、1年次の前期には、外国語学習の背景知識や基礎理念を学ぶ「多言語と多文化の世界」が必修科目として設置されています。また、選択科目である「外国語セミナー(英語)」や、「グローバルチャレンジ実習(海外外国語研修)」(米国ワシントン大学研修/台湾国立大学オンライン研修)も開講されており、自身の関心に応じて英語のスキルを向上させることができます。

  必修科目が配置されているのは1年次のみですが、神戸大学における英語の学びはそこで終わるものではなく、学部または大学院の修了時点まで、3つの段階で進んでいきます。以下の「カリキュラムマップ」に示すように、必修科目の履修後は、各自がキャリアパスを見据え、自身の英語学習を自律的にプログラムしていくことが求められます。




 明治の開港以来、神戸は、海に開かれた街であり、神戸大学からの帰路には、広がる海が眼下に一望できます。その海の先には、異なる言葉を話す人々や、異なる文化が存在しています。神戸大学での英語の学びを通じて、海の向こうに思いを馳せ、自身の世界を広げるきっかけをつかんでいただきたいと思います。Good luck!

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