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派遣

フィールドトリップ

神戸大学からのフィールドトリップ

2025年11月

Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe

国際協力研究科(GSICS)では、国際機関との連携・実務家によるセミナーを通じ、学生が実践的な学びを深める機会を提供しています。2025年秋学期には、「リスクマネジメントⅡ」の授業の一環として、Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe*を訪問し、「グローバルヘルスの脅威とリスクマネジメント」をテーマにフィールドトリップを実施しました。以下に参加者の声を紹介します。

*2023年に神戸市に開設された共創ラボ。AIやIoTを活用したソリューション開発を支援し、Microsoftの専門家が企業と共に課題解決やビジネス創出をサポートしています。ラボでは、共同開発したソリューションの展示も行っています。



Adinda Saraswati Cahyanung Wulan Suci(インドネシア)
全体として、今回の訪問を通じて、AIリスクの管理には絶え間ない努力と多くの裏方の作業が必要だと理解できました。たった一つのモデルの回答を安全にするために、多くの保護層が必要だとは驚きでした。AIシステム構築に伴う責任の大きさを改めて認識させられました。個人的には、私たち学生も含む将来のプロフェッショナルがデジタル技術のリスクについて批判的に考えることの重要性を、より強く自覚する機会となりました。



Anjum Mobasshir(バングラデシュ)
ラボの高見氏の丁寧な説明と見学により、授業で学んだリスク概念が実際のAI開発にどう反映されるかを理解できました。美しい会議スペース、医療用ロボットのプロトタイプ、AI開発の背景にあるワークフローなど具体的な事例を見学できました。予防策、監視体制、説明責任がどのように実適用されているかを知れたことも意義深いものでした。責任を持ってAIを管理するために必要な安全対策の多層性には驚かされました。この経験は、バングラデシュのような国々がより高度なAIシステムの導入を始める際に、同様の仕組みから受けられる恩恵について考えさせられました。訪問を通して、責任あるイノベーションと強固なリスクガバナンスの重要性に対する理解が深まりました。



Stipanic Tonka(モンテネグロ)
AIにかなり懐疑的な私にとって、今回の体験は意外にも非常に前向きなものでした。AIが(人間が行うには)困難で単調な作業を代替し、人間が社会でより充実した役割に注力できる例を知ることができました。AI自体への懐疑は変わらないですが、それはAIそのものではなく、利用者によるものです。とはいえ、ユーザーの悪用に対処しようとする開発者の姿勢や、AIの持つ可能性を実感できたことが嬉しく、今後もこうした事例が増えることを願っています。



Shin Jisu (韓国)
今回の講義を通じて、技術活用の効果的な方法を学びました。単にデータを扱うだけでなく、「プロンプト」について詳細な説明を聞くことができました。データリスクについては以前から耳にしていましたが、今回の訪問でそれらを軽減・解決する方法についてさらに興味がわきました。さらに質疑応答時にデータコンサルティングについて直接聞けたことは非常に興味深かったです。今後の研究やプロジェクトでは、データ倫理にも注意していきます。



Chang Tzuyin(台湾)
この訪問でリスクマネジメントの理論をAIシステムの背後にある実際のプロセスと結びつけることができました。インフラ、政策、エンジニアリングの層が積み重ねられて初めて、リスクが「不確実性」から「対応可能な何か」へと移行する仕組みをより深く理解できました。さらに重要なのは、この訪問が変革の政治的側面について考えさせるきっかけとなったことです。責任あるAIとは単に危害を防ぐことではなく、どの危害が重要か、誰のリスクを優先するか、不確実性をどう枠組み化するかを決定することだと気づきました。最も意義深かったのは、研究所内の技術的な明快さと、AIが最終的に直面せざるを得ない混沌とした社会的文脈との対比です。この訪問を通じて、真のAIガバナンスがいかに困難であるか、そしてリスクに関する議論が技術的解決策と広範な社会的視点の両方を包含しなければならない理由を深く認識しました。

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