
玉置 久
神戸大学理事・副学長
大学教育推進機構長・国際連携推進機構長
大学の世界展開力強化事業推進責任者
世界の多様なフィールドで貢献できる人材に期待
開港以来国際都市としての歴史を刻む地の神戸大学は、神戸大学ビジョンのもと様々な連携・融合の力を最大限に発揮する卓越研究大学として世界最高水準の教育研究拠点を構築し、現代及び未来社会の課題解決のため新たな価値の創造に挑戦し続けています。それは、海外の中核大学と共同研究や連携教育の重層的な交流を図り、世界各地から優秀な人材が集まり飛び出していくハブ・キャンパスとしての機能を飛躍的に高め、地球的諸課題解決に先導的役割を担う人材の輩出を目指すことにほかなりません。神戸大学と復旦大学(中国)・高麗大学校(韓国) が10年間共同で推進してきた「東アジアにおけるリスクマネジメント専門家養成プログラム」は、本学ビジョンの重要事業の一翼と位置づけられてきました。このたび更にその連携をASEAN諸国に拡大し、チュラロンコン大学(タイ)およびラオス国立大学(ラオス)を含めて「異分野共創によるリスクマネジメント専門家養成共同教育プログラム」(キャンパスアジア・プラス事業)を推進していきます。10年間のキャンパスアジア・プログラムを通じて、これまで150名余の学生が日中韓を相互に往来し、 国際的な専門家としての知識及び現実の諸問題への対応力を身につけてきました。キャンパスアジア・プラス事業を通じて、志ある若い方々が、世界の多様なフィールドへと羽ばたき、社会や地域に貢献できる人材へ成長されることを希望しています。

西谷 真規子
実施委員長 国際協力研究科 教授
2011年に文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択され、神戸大学、復旦大学、高麗大学の間で始まったキャンパスアジア・プログラムは、2021年にチュラロンコン大学とラオス国立大学を新たなパートナーに迎え、キャンパスアジア・プラス・プログラムとして再始動しました。本プログラムは、災害、環境破壊、教育格差、貧困、武力紛争など、様々な危機に対応できるリスクマネジメント専門家の養成を目指しています。この目的のために、ダブルディグリー・プログラムや交換留学、短期研修、インターンシップなどの共同教育プログラムを通じて、専門知識だけでなく英語力やコミュニケーション力など国際的な業務に必須の能力を身に着ける機会を提供しています。多くの学生がこの機会を活用し、グローバルに活躍されることを願ってやみません。

小川 啓一
実施副委員長 国際協力研究科 教授
令和3年度文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択されたキャンパスアジア・プログラムでは、国際機関、国際・国内NGO、医療機関、民間企業などのリスクマネジメント分野における実践的な知識とスキルをもち、語学力はもちろん、プレゼンテーション能力、異文化理解力を身につけた人材を育成することを掲げています。
また、国際機関(世界銀行、WHO、ユネスコ、ユニセフ等)、政府機関、国際協力機構、医療機関、国際・国内NGOでのインターンシップの機会を提供していることも大きな魅力の一つです。特に国際機関やグローバル企業での就職を目指す学生にとって、本プログラムの提供する教育内容を通じて英語力、批判的考察力、実践力を高めることができる有意義な機会になるはずです。ぜひプログラムを通じて、グローバル社会で生き抜く力を身につけてください。

亀岡正典
プログラム担当教員 保健学研究科 教授
医療技術が発達した現在でも感染症は世界的な主要死亡要因の一つです。また、ここ数年間大流行が継続しているCOVID-19を含め、新興感染症が次々と出現しています。私達の研究室では感染症の原因となるヒト病原性ウイルスについて新しい治療法を開発するための基礎研究を行っています。また、日本近隣のアジア諸国の研究グループと連携して、現地での感染症発生状況や薬剤耐性ウイルス出現に関するフィールド調査を行っています。このような研究活動に学部学生や大学院生を参画させることで、将来、感染症研究分野で国際的に活躍しうる若手研究者を育成することも目指しています。