入学者の声

1期生の声

文学部人文学科言語学専修

兵庫県 兵庫県立生野高等学校出身 2022年4月掲載

神戸大学入学後の今、取り組んでいることや志を受験しようと思った動機

志入試を受けようと思った直接のきっかけは当時の担任に勧められたからでした。募集人数も少なく、しかも制度開始初年度ということもあってなかなか不安でした。 しかし他の人にはない経験をしてきているという自惚れにも似た自負を、そして「志」を胸に、一念発起し受験を決意しました。 その自信と熱意を買われたのか無事合格し、かれこれ3年以上の月日が経ちました。

いま大学では言語学を中心に学んでいます。言語学というのは言葉の仕組みやその周りの現象を研究し、解明していく学問です。 この世は言葉で溢れていますが、しかしその複雑なシステムがどう動いているか。これはまだよく分かっていません。 高校時代の私はその「言葉」に心を奪われました。そしてその酔いはいまだ醒めやらず、この学問の沼へ沈んでいっております。 いま特に関心があるのは地域と言語とのつながりです。私の出身が兵庫県北部の小さな町で、幼い頃からふるさとや文化財に対して元々関心がありました。 そこにさらに、阪神淡路大震災を経験した神戸の町で人文科学を学び、「災害の際に人々の心は打ち砕かれてしまうが、 そこで文化財が心の拠り所になる」という考えが染みつきました。 そして「言葉」もこの例外ではなく、人々の拠り所になるような文化財ではないかと感じました。 いま急速に日本の中の言葉は均一化しています。その中に香る地域の風を掻き集め、缶詰にしてやりたいと言うのが私の夢です。 このグローバル化が進む社会の中で、「ローカルな自身の心を忘れずに。違うからこそ世界は楽しい」ということを描き出せればいいなと思っています。 この楽しさが私ごときに独占されるのはもったいないので、大学院に進み、いろいろな人が触れることができるような形にするにはどうすればいいか考えて行きたいと思っています。

「志」特別選抜を受けようと思っている人へのアドバイス

志入試という受験形式で求められるものは「志」と「経験」、「表現力」だと思います。 提出書類の作成、一次試験、面接、小論文など、全ての過程においてこういった力が強く要求されているように感じました。 まずは志について。これは人によって千差万別で、明確な基準があるわけではありません。 しかし私は自分なりに、何のために学びたいのか、何をしたいのかを考えました。 そして経験。地方出身というのは少し経験量という面では少し不利になり得ましたが、都市ではできない経験をしたり、 インターネットを通じて他者と交流したり、また専門書を買って読んでみたりなど、 人とは少し違うことをしようと積極的に行動しました。 最後に表現力。志も経験もそれをうまく伝える力がなければ自分の中だけの存在となってしまいます。 たくさんの表現を吸収し、それらを組み合わせて自分の気持ちを紡ごうと足掻く。 そういった執念深さがこの受験には役立ったかと思います。 そういった面では現代文の対策を舐めずにしっかりやることは有用だと思います。 さて、色々言いましたが、この受験形式で要求される学力レベルは決して高いものではないと思います。 しかしやはり足掻く力、諦めない力。こういった要求は強い形式だと思います。 これで落ちて もまだ一般がありますし、この試験で要求される力は決して一般入試でも無駄なものではないと思います。 なので割と気軽に受けてみても良いのかも? と思ったりします。

法学部法律学科

奈良県 奈良県立奈良高等学校出身 2022年2月掲載

神戸大学入学後の今、取り組んでいることや志を受験しようと思った動機

まず志を受験しようと思った動機は、「学力以外の事も評価してもらえる」からです。
私は高校時代、課外活動に力を入れていました。ボランティアや短期留学など自分の人生の糧になる経験を 積めた高校時代にとても誇りを持っていました。 そして、その経験を一時的なものではなく継続してなにかの課題解決につなげたいと思っていました。 抱いた課題について学びを深められる大学・学部のひとつとして神戸大学法学部を検討していたところ、この入試形態を知りました。 1期生でしたので不安はありましたが、願書と面接では自身の経験とこれからの展望を伝えさせていただき、 合格という評価をいただけたことですごく自信がつきました。

私が入学後にしたかったことは、「発展途上国の法律整備への援助」について研究することです。 高校時代にカンボジアへ研修に行ってこの分野に興味を持ちました。 本当は大学生のうちにフランスに留学して援助のあり方をより深く学びたいと考えていましたが、 コロナウイルスの影響でかなわなかったので、現在は国内で見聞を広め、援助のあり方に関する研究をしています。 イギリスの大学との研究発表会に参加させていただく機会もあり、質疑応答の中でより深い研究への意欲がわきました。 今後の展望としては、大学院で本格的に法律整備への援助についての研究をしたいと考えています。

「志」特別選抜を受けようと思っている人へのアドバイス

私は「志」特別選抜を受験してとてもよかったと思っています。 高校時代に頑張ったことを評価していただき、継続して「志」を深められる自信に繋がったからです。
「志」をもって入学するということは、大学生活をより充実して過ごすことが出来る大きな武器になると思います。 そして、その大学生活は大学を卒業した後も必ず人生の軸になると思います。 なので、「自分の志はそんな大それたものじゃない」「高校時代に成果を出していない」と諦めず、 「志」を持っていることに自信をもって、是非臆せず挑戦してみてください。
1期生として、同じ入試形態で選ばれた後輩たちの「志」を聞くことが出来るのを楽しみにしています。

医学部保健学科看護学専攻

兵庫県 松蔭高等学校出身 2022年1月掲載掲載

神戸大学入学後の今、取り組んでいることや志を受験しようと思った動機

現在は看護学の領域別実習を履修している最中です。新型コロナウイルス蔓延防止の観点で、オンラインでの看護展開を学んでいる領域もありますが、少しずつ臨地で実習できる領域も増えてきました。やはり実際の対象者に看護を実践できると、自分の傾向や課題が明確になり、少しずつではありますが、対象者のニーズを捉えて、身体面や精神面の苦痛を支えるような看護技術を磨いているところです。

「志」特別選抜を受けようと思っている人へのアドバイス

私は幼い頃からバレエをしており、また中高時代茶道部に所属していました。これらが何か一つでも看護実践に活用できるのか、これまで想像することが難しかったです。しかし、先日認知症高齢者グループホームで受け持った対象者が、芸術鑑賞が好きで、茶道経験もありました。認知症の進行を緩和するためには、非薬物療法でのアプローチが欠かせません。そこで私が対象者の前で、踊りを披露したり、一緒に茶道を行うことで、過去のエピソード記憶に働きかけ、情動の活性化を促す、いわゆる回想法という認知症ケアの一つを実施することができました。このことから、これまでの自分の経験や生育歴、取り組みが対象者のケアプランに活用できることが看護の魅力であると学びました。

部活動や自分の経験、興味関心のあることが、志望する学部にどのように活用できるのか、今想像することは難しいかもしれません。しかし何か成長や学びを得たことから、皆さんのこれまでの努力が、今後の礎となる可能性は充分考えられます。応援しております。

農学部食料環境システム学科生産環境工学コース

大阪府 大阪府立四條畷高等学校出身 2022年3月掲載掲載

神戸大学入学後の今、取り組んでいることや志を受験しようと思った動機

まず私は、高3の春まで自分もみんなと同じように一般入試を受けるものだと思っていました。実際、進路面談で、元々第一志望であった神戸大学の志入試について相談したのも「評定を使って、受験のチャンスが増やせたら。」という、軽い気持ちでした。しかし、進路について初めて真剣に考えるうちに、漠然としていたイメージが消えて、気がつけばその気になっていました。最終選抜(面接)の帰り道に、「志入試が不合格なら、一般入試でもう一度このコースを受験する。絶対にここで学びたい。」と強く思いました。周りが猛勉強するなか、出願準備に時間を割くことは、焦りや不安を感じるかもしれません。しかし、志入試を通して進みたい道を考え、主体的に受験勉強ができるようになることは、時間以上に大きな価値があると思います。

志1期生として合格して、4月から大学4年生になります。3年生の後半に研究室に配属されたため、今は実験をしたり文献を読んだりして毎日を過ごしています。私の研究テーマは、分光カメラ(物質に光をあてると特定の波長で吸収が起こることを利用して、物質の判別や定量解析ができるカメラ)を用いて収穫後の野菜が劣化する過程を調べることであり、食品ロス削減につながる研究ができることに、面白さとやりがいをもっています。また、2年生のときに同じコースの友人と「えこふる」という名で環境サークルを立ち上げ、現在も活動を続けています。最近では、「食品ロス」をテーマに、小学校で環境出張授業を行い、またその様子を大学の公式YouTubeに掲載いただくなど、充実した学生生活を送っています。高校時代は、「農学」と「工学」が関連していて、自分がその分野の研究をするなど想像すらしていませんでした。しかし、大学には0から学び、底なしに深い学問を知れる環境が整っています。また、同じ興味や志をもつ多くの友人にも出会えることもできます。今の自分が一番ビビッとくる分野を選んで、納得の選択になることを祈っています。

「志」特別選抜を受けようと思っている人へのアドバイス

「志」特別選抜は、学科やコースへのこだわりを1番に評価してくれると思います。それさえあれば戦えますが、高校時代で取り組んだ課外活動や定期テストの頑張りはきっと大きな武器になります。今本当に思うことは、やらずに後悔するよりも、やってみる方が絶対に良いです。気になったら行動してみて下さい。みなさんの頑張りを応援しています。

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