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2017年10月10日更新

界面科学コロキウム・スマート物質材料工学セミナー

2017年11月24日(火)15:10 理学研究科Z302講義室

15:10
ペロブスカイト型Sr-Fe系複合酸化物の酸素貯蔵能


細川三郎博士
京都大学触媒・電池元素戦略研究拠点 特定准教授

α-Fe2O3のような金属酸化物を水素還元処理した場合,格子酸素の放出とともにカチオンサイトの再配列が起きる.一方,層状ペロブスカイト構造をもつSr3Fe2O6.75の水素還元過程では,ペロブスカイト骨格のカチオンサイトの位置がほぼ維持された状態で特定の酸素イオンのみが放出される.Sr3Fe2O6.75はこのような特異な酸素放出機構を有するため,極めて迅速に格子酸素を放出・吸蔵できることを最近明らかにした.そこで,本講演では,ペロブスカイト型Sr-Fe系複合酸化物の酸化還元機構および触媒担体としての利用について概説する.

16:00
人工光合成固体光触媒設計のための複合分光分析


吉田朋子博士
大阪市立大学複合先端研究機構 教授

石油・石炭などの化石資源に代わって二酸化炭素を炭素資源として有効に利用すること,しかもその化学変換を化石資源から得たエネルギーではなくて太陽エネルギーや水を使って行うための技術革新は,豊かな人類社会を持続させるためにも重要な課題である.我々は,酸化ガリウム(Ga2O3)に銀ナノ粒子を添加した光触媒を利用した人工光合成技術によって,二酸化炭素と水から,一酸化炭素,水素,酸素を生産する反応系の構築に取り組んでいる.本研究では,銀微粒子の構造をXAFS及びTEM, STEM測定によって原子レベルで調べ,かつ,光触媒表面の吸着ガス分子の化学状態をin-situ FT-IR測定により追跡し,反応メカニズムについて明らかにした.その結果,一酸化炭素の生成は,1ナノメートル前後の小さな銀ナノ粒子の近くで促進されていることが明らかになった.

ご来聴を歓迎いたします     

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