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2015年7月22日更新

界面科学コロキウム

2015年8月5日(水)15:10 理学研究科Y103講義室

走査型プローブ顕微鏡を用いた固液界面における局所電気化学計測
高橋康史博士(東北大学原子分子材料科学高等研究機構助教)
15:10

走査型電気化学顕微鏡(SECM)は、マイクロ電極をプローブとして用いて酸化還元電流を走査しながら検出する。その特徴は、液中の化学物質の濃度を無侵襲的かつ定量的に可視化できることである。SECMは計測する酸化還元電流が試料の凹凸の影響を受けるため、走査型近接場光学顕微鏡と同様にプローブの高さ方向の制御が必要となる。そこで、SECMのプローブの位置制御に走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)を取り入れた。SICMは、ナノピペットをプローブとして用いる。その特徴は、イオン電流をフィードバックシグナルに利用した非接触かつナノスケールでの形状測定である。これまでに水平方向に3-6 nmの高分解能を達成した報告がある(Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 2212)。さらにホッピングモードの開発により、アスペクト比の高い神経細胞などの全体をイメージング可能となった(Nat. Methods 2009, 6, 279)。発表者はSECMにSICMの距離制御システムを搭載したハイブリッドシステムを開発し、生細胞表面の形状と化学物質の同時イメージングを行った。また化学物質を局所的に研究するために、化学物質の細胞膜の透過性、神経伝達物質の検出、膜タンパク質の検出、細胞の分化状態の評価を行った(J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 10118; Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 9638; Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2012, 109, 11540)。さらにプローブー試料間にメニスカス状の電気化学セルを形成し、材料の局所的な電気化学特性の評価に有効な走査型電気化学セル顕微鏡(SECCM)を用いた電池材料の評価(Nat. Commun., 2014, 5, 6450)についてもふれたい。

光エネルギー変換反応の単一粒子・単一分子蛍光イメージング
立川貴士博士(神戸大学准教授)
16:00

たったひとつの分子や粒子の挙動を調べることにより、集団の中に埋もれた興味深い化学的現象や機能において重要な役割を担っている少数分子(粒子)を見つけることができます。本講演では、新規光機能材料の開発と単一粒子・単一分子蛍光分光法を用いた反応観測について紹介します。

ご来聴を歓迎いたします     

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