准教授:影山 裕二(かげやま ゆうじ)

学位:博士(理学)

担当授業科目

(学部)分子生物学基礎、生物学演習II、生物学実験IIIA,B、特別研究A,B
(大学院)生化学特論II、生命情報伝達特論II、先端融合科学特論II、論文講究I,II、特定研究I,II、特定研究
(全学共通教育)生命の営みと成り立ち(生命の科学)

研究の興味

 生命は人間の想像を超える驚きのメカニズムで成り立っている。ゲノム配列の決定により、生命を支えるメカニズムについて次々と新たな発見が相次いでいる が、その全体像は鮮明になるどころかますます謎が深まるばかりのようにも思える。我々の直近の興味は以下のようなものである。

1. わずか11アミノ酸の小さなペプチドが発生現象を制御するメカニズムとは何か?
2. タンパク質をコードしないとされるRNAはどのような機能を持っているのか?

 ゲノム解析の進展に伴い、我々の細胞中には、一見タンパク質をコードしているとは思えない高分子量のRNA(いわゆるlong noncoding RNA)が大量に存在していることが知られるようになったが、その生理機能については不明な点が多く残されている。我々は、これらノンコーディングRNA の一部が実際には翻訳されており、真核生物でもっとも小さなペプチド遺伝子(わずか11アミノ酸のペプチドをコードしている)として、ショウジョウバエ上 皮細胞の形態形成に重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。また、これらの研究と平行して、long noncoding RNAが、ショウジョウバエの脳内構造の形成に決定的な役割を果たしていることを見出している。小さなペプチドやlong noncoding RNAは、従来の高分子量タンパク質を中心とする分子生物学的観点からは見落とされがちであり、このような新たなタイプの生体分子の詳細を明らかにするこ とは、生物学者にとって新たな挑戦でもある。現在、小さなペプチドやlong noncoding RNAがどのような分子活性を持っているのか、多数存在すると思われる同様の遺伝子の生理機能は何か、といった点に着目して、遺伝学的・細胞学的・生化学 的手法を用いた解析を行っている。

主な研究テーマ

 ショウジョウバエ上皮細胞の形態形成におけるペプチド遺伝子の生理機能に関する研究

 ショウジョウバエ中枢神経系における高分子ノンコーディングRNA の生理機能に関する研究

最近の代表的な論文

  • Hélène Chanut-Delalande, Hashimoto, Y., Pelissier-Monier, A., Spokony, R., Dib, A., Kondo, T., Bohere, J., Niimi, K., Latapie, Y., Inagaki, S., Dubois, L., Valenti, P., Polesello, C., Kobayashi, S., Moussian, B., White, K.P., Plaza, S., Kageyama, Y.*, and Payre, F.* (2014)
    Pri peptides are mediators of ecdysone for the temporal control of development.
    Nat. Cell Biol. 16: 1035-1044.
  • Shinichi Nakagawa, and Kageyama, Y. (2012)
    Nuclear lncRNAs as epigenetic regulators-beyond skepticism.
    Biochim. Biophys. Acta 1839: 215-222.
  • Yuji Kageyama, Kondo, T. and Hashimoto, Y. (2011)
    Coding vs non-coding: Translatability of short ORFs found in putative non-coding transcripts. (review)
    Biochimie 93: 1981-1986.
  • Takefumi Kondo, Plaza, S., Zanet, J., Benrabah, E., Valenti, P., Hashimoto, Y., Kobayashi, S., Payre, F. and Kageyama, Y. (2010)
    Small peptides switch the transcriptional activity of Shavenbaby during Drosophila Embryogenesis.
    Science 329: 336-339.
  • Takefumi Kondo, Hashimoto, Y., Kato, K., Inagaki, S., Hayashi, S. and Kageyama, Y. (2007)
    Small peptide regulators of actin-based cell morphogenesis encoded by a polycistronic mRNA.
    Nat. Cell Biol. 9: 660-665.
  • Sachi Inagaki, Numata, K., Kondo, T., Tomita, M., Yasuda, K., Kanai, A. and Kageyama, Y. (2005)
    Identification and expression analysis of mRNA-like non-coding RNA in Drosophila.
    Genes. Cells 10: 1163-1173.
  • 近藤武史、影山裕二(2010)
    短鎖ペプチドによる転写因子Shavenbabyの活性制御
    実験医学 28: 3132-3136.
  • 影山裕二(2010)
    「mRNA型non-coding RNA」
    機能性RNAの分子生物学(クバプロ)pp.181-196.
  • 影山裕二 (2009)
    「性決定」、「Non-coding RNAによる分子制御」
    分子昆虫学 −ポストゲノムの昆虫研究− (共立出版)pp.68-79, pp.118-128.

連絡先

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