生物学科・生物学専攻の紹介

 生物学は身近な生きものを対象とした親しみやすい学問ですが、「生命とは一体何なのか」という私たちにとって最も難しい問題を解決しようとしている学問でもあります。この問題へのアプローチの仕方は、大きくふたつに分けられます。すべての生物に共通する基本原理を知ることによって生命を理解しようとする立場と、生物の多様性や生物どうしの関係を知ることによって理解しようとする立場です。いずれの立場も生物の営みを理解する上で重要かつ不可欠であり、現代の生物学はこれらの異なる視点からなる研究成果が融合しつつ発展しているものと捉えることができます。
 神戸大学理学部生物学科では、これら両方の立場にもとづいて広範な基礎知識を修得し、自らの興味ある分野を詳しく学修できるよう教育を行います。また、大学院理学研究科生物学専攻(博士課程前期・後期)では、分子生物学から生態学まで広範な研究分野の専門教育を実施し、研究の進め方や文献情報の扱い方を習得できるよう指導します。

三つの大講座と二つの連携講座

生物学科・生物学専攻には、中核となる三つの大講座と二つの連携講座から構成されますが、中核講座はさらに2-5人の教員からなる研究教育分野に別れており、それぞれの教員が独立あるいは共同で運営する27の研究室があります。各講座や研究室のより詳しい内容については、教育研究分野および教員一覧のページを参照して下さい。

生体分子機構講座

 細胞の諸機能を担う構造の構築・維持・改変機構を分子から細胞・組織・個体レベルにおよぶ広い領域にわたり教育研究を行います。(教育研究分野:分子生理/細胞機能/情報機構)

生命情報伝達講座

 生物ゲノムに内包された遺伝情報の発現過程や、細胞内のシグナル伝達による細胞応答機構に関する教育研究を行います。(教育研究分野:形質発現/遺伝情報/遺伝子機能)

生物多様性講座

 生物多様性の実態とその起源・維持機構について、主に藻類や植物・動物を対象として系統分類学と生態学の立場から教育研究を行います。(教育研究分野:生態・種分化/進化・系統)

発生生物学講座(連携講座)

 動物の形態形成や器官形成について、進化生物学,遺伝学,細胞生物学などの多様なアプローチから教育研究を行います。(教育研究分野:発生生物学)

生物制御科学講座(連携講座)

 昆虫、菌類、植物などに対して生理活性を示す化合物の活性発現機構や、生体内での代謝や移行など、生物と生理活性物質との相互作用に関する教育研究を行います。(教育研究分野:生物制御科学)

カリキュラム

【生物学科】

 生物学科では、生物学の専門教育への導入として、まず生物学の幅広い領域をカバーする8つの基礎科目を履修し、その後、より専門的な各分野の講義に進むようカリキュラムが組まれています。さらに、生物学の研究に必要な実験の基礎から最先端の手法の一端まで学べる生物学実験を、必修科目として課しています。野外実習と臨海実習は実際に生物に触れて学習する機会を提供しています。これらの科目以外にも、特別講義「生物学のすすめ」では、多様な職種に就いて活躍する生物学科の卒業生らの講義から、「生物学と社会とのつながり」や「生物学に対する考え方」について学ぶこともできます。3年次までに履修するこれらの講義や実習による教育を踏まえ、4年次に行う卒業研究において、研究室における活動に参加することにより、研究とは何かを肌で学ぶことが出来ます。
 生物学科におけるユニークな教育体制の一つとして、学年チューター制度が挙げられます。これは入学時に2名の教員が学年チューターとなり、学生の修学指導に当たるもので、その学年の卒業時まで持ち上がりで学生それぞれの修学状況を把握し、必要な場合には助言するとともに、学生からのさまざまな相談を受け付けています。

【生物学専攻】

 大学院理学研究科・生物学専攻では、全ての生物に共通する生命の仕組みの解明と生物界の多様性の成り立ちの解明を二つの柱として、分子生物学から生態学まで広範な分野の専門教育を実施します。また、医療、バイオ、環境などの社会的要請にも応え得る幅広い視野を養うためのカリキュラムを組み、問題解決能力に優れた高度専門職業人や創造性豊かな研究者の養成を目指した教育研究を行います。このため、生物学専攻に生体分子機構、生命情報伝達、及び生物多様性の3講座とともに、理化学研究所および住友化学(株)の研究者が連携講座教員として加わっており、広範な分野についての概論講義や、より専門的な講義を行っています。