地球安全保障への提言を目指す「グローバルキャリア人育成神戸モデル」
国立大学附属学校及びユネスコスクールである特色を活かした次の3点を核とする
「グローバルキャリア人育成神戸モデル」の開発と実践
①課題研究を核とする教科横断型体系的グローバル人材育成カリキュラムの開発
②国内外での圧倒的なグローバルアクションプラグラムの実施
③高大一体による実践を支える確かな調査研究の推進
本校SGH構想図
本校は「優れた課題発見力を持ち、世界の中で自己を位置付け、文化理解と行動を踏まえて、国際協力による関係構築を積極的に行おうとする『グローバルキャリア人』」を「グローバル・リーダー」と定義し、その育成を教育目標に掲げています。
現在のグローバル社会では、特に東アジアやヨーロッパで核実験やテロなど、重大な問題が顕在化しています。これらの諸課題を解決するには「地球安全保障」の実現を図ることが不可欠であり、本事業においては、次の3観点を核として、生徒のグローバルキャリア力を総合的に向上させ、高校生の視点に基づく「地球安全保障への提言」を発信します。
①課題研究を核とする教科横断型体系的グローバル人材育成カリキュラムの開発
②国内外での圧倒的なグローバルアクションプラグラムの実施
③高大一体による実践を支える確かな調査研究の推進
これによる『世界の課題を自ら発見・探求し、具体的な解決を提案できる次代を担う人材を育成する「グローバルキャリア人育成神戸モデル」の開発』を、本事業の目的とします。SGH指定2年目の2016年度は、特に③に重点を置き、神戸大学との有機的な連携を図る段階に至っていると言えるでしょう。
■課題研究内容
全体テーマ
「神戸から発信する『地球の安全保障』への提言」
研究領域
「震災・復興とリスクマネジメント」,「国際都市『神戸』と世界の文化」
「提言:国際紛争・対立から平和・協力へ」,「グローバルサイエンスと拠点都市『神戸』」
■実施方法・検証評価
①「課題研究」
「課題研究Ⅰ」ではグループ研究による研究基礎力の養成に取り組み,「課題研究Ⅱ・Ⅲ」では個人研究による課題の探究,個人論文並びに英文要旨の完成及びプレゼンテーションを行いつつ,地球の安全保障に関する認識の深化を図ります。
②「課題研究アクションプログラム」
研究意欲の向上ならびに国内外の高校生との交流の促進を図るとともに,課題研究の成果を発表する場として国内外でのワークショップ並びにフォーラム等を開催します。
③「課題研究を支える学校設定科目等」
課題研究を高いレベルで実施するために,学校設定科目「国際理解」及び「ESD」を教育課程に設けます。
神戸大学の支援を得て
SGHは神戸大学の大きな支援体制のもと行われています。
課題研究には,神戸大学の院生のサポートがあり,意欲の高い研究の場合,大学の先生方の指導を受けることも可能です。
高大連携授業,連続リレー講座,学部のグローバルアクションプログラム等を受講することができます。連続リレー講義は産業界・官界・政界のトップランナーが講師となるオムニバス形式の講義で,課題研究のテーマ設定に役立つと考えています。
神戸大学留学生によるワークショップの開催等多くの国際教育に力を入れています。なかでも神戸大学大学院国際協力研究科の小川啓一先生の協力のもと,JICAや世界銀行,ユネスコ等の国際機関研修を定期的に実施しています。JICA視察団との交流は途上国理解の上で大きな位置を占めています。
大学附属としてのメリットを活かしながら,SGH検証システムの整備に力を入れています。神戸大学大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター・大学院国際文化学研究科の石川慎一郎先生の指導の下,「グローバルキャリア人」に関する意識調査を継続的に行いテキストマイニング方式等による分析と検証を行って,今後のSGH事業の改善に活かす予定です。
神戸大学 藤田 誠一 副学長
附属中等教育学校がSGHに指定されたことは,神戸大学にとっても大変うれしいニュースです。これまで,神戸大学は「神戸大学Day」や講義,さらには神戸大学教員による課題研究の指導といった様々なかたちで附属中等教育学校と係わってきました。
今回のSGH採択を受けて,グローバルアクションプログラムでの協力など,これまで以上に大学と附属中等教育学校との連携はますます密接になることが期待されます。
神戸大学は「課題発見・解決型グローバル人材」の育成を目標に掲げていますが,附属中等教育学校も文理融合の研究大学を目指す総合大学の力をSGHの教育に大いに活用していただきたいと考えています。