English

お知らせ

グローバルネットワークセミナー「Cambodia's Development Finance Assessment」を開催しました


2025年10月6日、カンボジア国立経営大学のPhim Runsinarith教授をお招きし、「Cambodia's Development Finance Assessment」をテーマにグローバルネットワークセミナーを開催しました。

本セミナーでは、カンボジアにおける開発資金の現状とその変化について、国内歳入、海外直接投資、国内民間投資、海外送金、政府開発援助、気候変動関連基金、NGO資金など、多様な資金源の観点からご講演いただきました。特に、開発資金を国内・国際、公共・民間という枠組みから整理し、それぞれの資金がカンボジアの開発に果たしてきた役割について解説されました。講演ではまず、カンボジアの国内歳入について、間接税が重要な割合を占めるとともに、税収の確保が進展してきたことが示されました。 また、FDIについては、その投資元や投資先が特定の国・地域や産業に集中していることが指摘されました。さらに、国内民間投資が長期的に拡大傾向にあることや、海外送金が重要な資金源として成長している一方、ODAについては総額が比較的安定しているものの、国民総所得に占める割合が低下傾向にあることなどが紹介され、カンボジアの経済発展に伴って開発資金の構造が変化していることが示されました。

一方、新型コロナウイルス感染症がカンボジアの開発資金に与えた影響についても解説されました。COVID-19によって国内歳入、FDI、国内民間投資、海外送金などが大きな影響を受け、2020年の開発資金全体では、COVID-19がなかった場合と比較して約19.8%減少したとの推計が示されました。その一方で、今後は国内資金や民間資金がカンボジアの開発を支えるより重要な資金源になることが指摘されました。

講演の後半では、2030アジェンダや持続可能な開発目標の達成に必要となる新たな開発資金のあり方について議論されました。具体的には、官民連携、インパクト投資、グリーンボンド、ブレンデッド・ファイナンスなどの革新的な資金調達手法が紹介されました。さらに、短期的な政策として、徴税能力・制度の強化、国内融資手段の拡充、FDIおよび国内民間投資の回復、社会保障への支出などが示されました。 中長期的には、新たな税制の検討、ブレンデッド・ファイナンスのさらなる活用、グリーンボンドやSDG債、インパクト投資などを通じた開発資金源の多様化、そして民間資金をより質の高い投資へとつなげるための制度・組織能力の強化の重要性が強調されました。

本セミナーを通じて、参加者はカンボジアの開発を支える資金構造が、従来のODAを中心としたものから、国内歳入、民間投資、海外送金、気候資金などを含む、より多様な資金源へと変化していることへの理解を深めました。また、SDGsの達成に向けて、限られた公的資金だけでなく、国内外の民間資金や革新的な資金調達手法をどのように動員し、持続可能な開発につなげていくかを考える貴重な機会となりました。