お知らせ
グローバルネットワークセミナー「Role of the World Bank in Building Better Education Systems in Africa」を開催しました
2025年1月7日、グローバルネットワークセミナーを開催しました。
講師には、本学大学院国際協力研究科の修了生であり、現在、世界銀行の上級教育スペシャリストとして活躍されている荘所真理博士をお迎えしました。「Role of the World Bank in Building Better Education Systems in Africa」をテーマとした講演では、初等・中等教育、幼児教育、人材育成、スキル開発などに関する世界銀行の融資・分析活動について、荘所博士の豊富な実務経験を踏まえてご講演いただきました。
講演ではまず、世界銀行のポートフォリオにおける教育分野への投資について紹介され、教育が経済発展と人材育成を支える重要な投資分野として位置づけられていることが説明されました。一方で、学校へのアクセスが拡大し、若年人口が増加する中においても、教育の質が十分に改善されていない「学習危機」が深刻な課題となっていることが指摘されました。こうした学習危機に対応するため、世界銀行が取り組む学習環境の改善についても紹介されました。具体的には、気候変動に対応した環境に配慮した学校づくりや地域コミュニティとの連携、教員制度の改革を通じた教師のアカウンタビリティやモチベーションの向上などについて説明されました。また、近年では教育技術(EdTech)の活用も進められており、テクノロジーを活用して学習環境や教育の質を向上させる取組についても紹介されました。さらに、女子教育の重要性についても強調され、女子の教育へのアクセスと就学継続を支援するためのインフラ整備、経済的支援、衛生環境の改善などの取組が紹介されました。また、教育と労働市場のニーズを結びつけることの重要性についても説明され、学生がソフトスキルや地域のニーズに応じたスキルを身につけるための支援や、学校にも職業にも就いていない若者(NEET)が直面する課題への対応について議論されました。講演の後半では、荘所博士自身の世界銀行での経験をもとに、紛争や脆弱な状況下における教育支援についても解説されました。スーダン、シエラレオネ、スリランカなどの事例を通じて、こうした地域では事業実施上のさまざまなリスクが存在する一方、国連機関などとの連携を通じて、教育、保健、社会保障などの分野における支援を継続するための取組が行われていることが紹介されました。
講演後の質疑応答では、グローバルな環境で働くために必要なスキル、本学大学院国際協力研究科で学ぶことの強み、国際機関でキャリアを形成していくために必要なことなどについて、荘所博士の経験を踏まえた具体的なアドバイスが共有されました。また、15年以上にわたる国際開発分野での経験を踏まえ、変化する課題に効果的に対応するためには、継続的に学び、新たな知識を身につけていくことが重要であるとのメッセージが送られました。本セミナーは、教育と人的資本形成の関係や、アフリカをはじめとする各国で展開される教育プロジェクトへの理解を深めるとともに、世界銀行が教育開発において果たす役割や国際機関でのキャリアについて考える貴重な機会となりました。