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お知らせ

国際セミナー「Building Balanced Development of Public Schools in China: Through A School Collaboration Approach」を共催しました


2026年10月13日、グローバルネットワークプログラムが共催する「Building Balanced Development of Public Schools in China: Through A School Collaboration Approach」を開催しました。講師には、東北大学大学院教育学研究科のLiu Jing准教授をお迎えしました。

講演では、世界各国で学校間連携が教育改善の手法として広がってきた背景を踏まえ、中国の義務教育における学校間・地域間の教育格差と、その是正を目指した学校間連携について紹介されました。中国では、同一地域内の学校間においても、施設、教員、教育資源、進学機会などに格差がみられ、質の高い教育へのアクセスをいかに公平に保障するかが重要な課題となっています。こうした課題に対応するため、中国では学校間の教育資源共有を促進する政策が進められ、School AlliancesやEducation Groups、都市部と農村部の学校間連携など、地域の状況に応じた多様な仕組みが導入されてきたことが説明されました。

特に講演では、複数の公立学校が連携する「Education Groups」に焦点が当てられました。Education Groupsでは、教育成果の高い学校を中心として、学校の教育理念やブランド、学校運営、リーダーシップ、教員研修、カリキュラム、教育技術などを加盟校間で共有することにより、学校全体の能力向上と教育の質の改善を目指しています。こうした取組には、質の高い教育へのアクセスを拡大し、教員や学校管理職により多くの研修機会や教育資源を提供できるという利点がある一方、行政主導のトップダウン型の取組と各学校の主体性との関係や、Education Groups間の新たな格差、学校の均質化などが課題となり得ることも紹介されました。

続いて、中国・成都市におけるEducation Groupsの事例研究について説明がありました。成都市では、都市化の進展と質の高い教育に対する需要の高まりを背景として、都市部と農村部の教育の統合や学校間の教育資源共有が進められてきました。講演では、行政による学校施設の整備、人材の再配置、Education Groupsの組織・評価制度の構築といったトップダウン型の政策とともに、学校レベルで生まれたボトムアップ型の取組が紹介されました。具体的には、教員や学校管理職の交流、カリキュラムや授業研究の共有、教員研修、加盟校間の共同活動などを通じて、学校間で知識や教育実践を共有する仕組みが形成されていることが示されました。

また、学校間連携によって、児童がより質の高い教育資源や学校独自のカリキュラム、高度な教育施設・技術にアクセスできるようになり、移民児童の質の高い教育へのアクセス拡大にもつながっていることが紹介されました。さらに、Education Groups内では、優れた教員を加盟校に派遣する取組や、教員研修、授業研究、ワークショップなどを通じた人的資源の共有も行われています。一方、各学校の特色を維持しながら連携を進めることや、学校間で共通の価値や文化を形成することの重要性も指摘されました。

当日は、オンラインで58名の学生・教職員が参加しました。質疑応答では、移民児童が置かれている教育環境やEducation Groupsがその教育機会の改善に果たす役割、行政主導による学校間連携の中で各学校の自律性をどのように確保するのかなどについて質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。本セミナーは、中国における学校間連携の具体的な事例を通じて、教育資源の共有による学校間格差の是正について学ぶとともに、トップダウン型の教育政策と学校レベルの自律性やイノベーションをいかに両立させるかについて理解を深める貴重な機会となりました。