お知らせ
国際セミナー「Human Security and Mobility in the South Pacific: Past Present and Future」を共催しました
2026年6月11日、グローバルネットワークプログラムが共催するInternational Seminar on Global Governance for Human Securityをハイブリッド形式で開催しました。
講師には、トンガ国立大学経営・公共行政学部長のRaelyn Lolohea Esau教授をお迎えしました。「Human Security and Mobility in the South Pacific: Past, Present and Future」をテーマとした講演では、南太平洋における人間の安全保障とモビリティについて、過去・現在・将来の三つの観点からご講演いただきました。3,500年にわたるウェイファインディングの伝統から始まり、植民地支配、核実験、国境線引きといった歴史的な断絶が、低い人間開発指数(HDI)、非感染性疾患、ジェンダーに基づく暴力、若年失業など、今日の脆弱性にどのようにつながっているのかが論じられました。また、PALMやRSEといった労働移動スキームがもたらす機会と人間的コスト、既存の国際法の限界について分析し、気候危機の深刻化、権利に基づく移動枠組みの構築、現地における人間の安全保障の強化という三つの将来展望が示されました。
当日は、対面28名、オンライン17名の学生・教職員が参加しました。質疑応答では、文化的・信仰的背景から島を離れることの難しさ、長期の海外在住後に帰国した人々が直面する就労機会の不足、気候変動対策をめぐる大国への発言力、教育政策と頭脳流出のバランスなど、多様な観点から活発な議論が行われました。本セミナーは、モビリティを太平洋地域のアイデンティティの表現として捉え直すとともに、南太平洋が人間の安全保障、気候変動、開発パートナーシップをめぐるグローバルな議論において重要な地域であることへの理解を深める貴重な機会となりました。