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2011年度の授業の概要と計画(2012年度シラバスより抜粋)

 このゼミは、政治学原論・政治思想史的な方法を用いて、現代先進諸国の政治や特色を考えるゼミです。本年度は「正義論・平等論」という緩やかなテーマ設定をしています。 このテーマは、格差社会、世代間の公平や平等、人種や性別を巡る平等、中央と地方の格差等、現代日本が直面する最新の具体的政策課題と直結する議論です。
 前期は、平等論・正義論に関する近年の研究や歴史的研究を全員が分担して報告することで知識の共有化を目指します。 後期は、それをもとに各人が自由に具体的問題を選んで個人研究をする予定です。幅広いテーマを扱うゼミなのでどのような関心を持つ人でも楽しめると思いますが、 政治学原論が公務員試験等の主要科目の一つであるため、特に公務員試験や大学院進学等を考える人には有益ではないかと思います。
 テキストは、前期特に早い時期に扱う基礎的・一般的な文献については、こちらで一定程度案を考えますが、中盤以降には、可能な限り参加者の希望を反映したいと考えています。 またこうした通常のゼミ運営や、年末に予定される大阪市大との合同ゼミ等、ゼミの運営は学生の自主的な運営に任されている部分が多く、自由闊達な雰囲気がこのゼミの特色です。

2012年度の予定

本年度のテーマ=民主主義
※民主主義以外の政治学全般についても扱います。特に、後期の個人研究は、民主主義に囚われる必要はありません。
  2013年度
 本年度のテーマは自由論です
※あくまでも緩いテーマなので、これ以外の文献にも触れます。扱った教材等詳しい内容は「活動記録」に載せております。

  2015年度 
 本年度のテーマは平等です
12月14日(月)17:30〜17:50にフロンティア館304教室でゼミ説明会を行います。
開催時間が17:50〜18:10から変更されていますが、時間外にお越しいただいても可能な限り個別対応しますので、お気軽にご参加ください。


 2016年度
12月15日(木)17:55〜18:30 フロンティア館304教室にて見学会を、
12月19日(月)昼休み(12:30〜13:00) U102教室にて座談会をそれぞれ行います。 
お気軽にご参加ください!


飯田文雄先生の紹介
主要研究テーマ 現代政治哲学、西洋政治思想史、福祉国家と平等の理論
経歴 1961年 大阪府生まれ
1981年 大阪府立四条畷高校卒業
1986年 東京大学法学部卒業

1986年 東京大学法学部助手
1989年 神戸大学法学部助教授
その間 ハーバード大学政治学部客員研究員、オクスフォード大学法学部 academic visitor として在外研究
1999年 神戸大学法学部教授
2000年 神戸大学大学院法学研究科教授
主要研究業績 「ハロルド・ラスウェルの政治理論」国家学会雑誌103巻以下

「現代リベラリズム論の批判的再構成」神戸大学雑誌47巻4号以下

「平等」福田他編『デモクラシーの政治学』(東京大学出版会、2002年)所収

“Kozo Kaikaku:The Emergence of Globalization Discourse in Japan”in Manfred Steger(ed.) Rethinking Globalism (Rowman&Littlefield,2003)

『現代政治理論』(共著、有斐閣、2006年)

「運命と平等:現代規範的平等論の一断面」日本政治学会編『平等と政治:年報政治学2006-I』

翻訳:ロバート・ダール『政治的平等とは何か』(共訳、法政大学出版局、2009年)
公的活動 政治思想学会理事

ゼミ生の声

政治学演習を受講するかどうかについて検討している方向けに、私たちはゼミ生に対して次のような質問をしてみました。
1.このゼミの魅力的なところは何ですか?
2.このゼミで身についたことは何ですか?
(私たちのゼミは2011年度、20人ほど(男女比約1:1)受講していて、13人が答えてくれました)

ゼミの魅力・いいところ

  • 先生が親切、先生の雰囲気(一挙一動,言葉のチョイス)に癒される、先生がいろんな意味でおもしろい
  • 自分で好きなテーマを追求できる
  • 論文という形で自分が大学でやり遂げた証を作りたかった
  • 議論する際には小グループでやるので、自分の考えたことを話しやすいし、議論も活発になりやすい
  • 個人が基礎(個人プレー中心・自分のペースで準備できる・授業外で特に集まらなくていい)
  • 小グループに分かれて行う議論や席替えもあるので、みんなと仲良くなれる
  • 公務員試験の役に立つ
  • 和やかでアットホームなゼミ

身についたこと

  • 政策などについてその裏にある抽象的な概念(自由や平等など)にまで思考が及ぶようになった
  • 論文を読んで理解してまとめる力、丁寧なレジュメの作り方、論文の趣旨や主張を捉え、整理する力
  • 自分で物事を論理的に捉える力を養える
  • 以前は難しすぎると思った本もある程度読めるようになった
  • 政治学の名著を読めるので政治学的に有名な論者の一通りの知識が得られる
  • 中絶や男女格差、経済格差などの社会問題に対する多角的な視野が身についた

所見・ゼミの内容に関する補足(あくまでHP係による)

実際にアンケートやってみると、先生のキャラに定評がありました。 あとで聞くと、「先生のファンです」と宣言するゼミ生もいました。 もちろん、先生の一挙一動がおもしろいことも重要だけど、個人的には先生がゼミ生の就活を 応援してくださるところが非常にありがたいです。その一環として、OB・OG会というゼミOB・OGの方と交流する飲み会があります。
前期はリーディングが中心で、政治学の名著を実際に読めます。本や論文を読むの面倒だと思われるかもしれません。 しかし、実際読んでみると、そんなに苦ではない し、講義聴いただけよりはるかに理解できるようになります。 読んで初めて気がつく政治学の面白さもあるでしょう。
後期は主として個人研究ですが、こちらはある程度マイペースに進められる上、達成感があります。 法学部は卒論がないので、 大学で何かやり遂げた証を作ってみてはいかがでしょうか?