2013年度授業内容
前期では、今年度のテーマである「自由論」に関わる過去の研究者の著作の一部又は全部を扱いました。事前に資料が配布されて全員が次の授業までに読んできます。各回では複数人の担当者が決まっており、担当者は教材の内容を数枚の資料にまとめて発表を行います。発表の後、5人ほどの3〜4つのグループに分かれて内容についてディスカッションをし、そこで出た疑問などを全体で発表、担当者がそれらに応答、最後に飯田先生にまとめていただく、という流れでした。予め飯田先生からディスカッションのテーマが与えられ、それについて話し合うということもありました。(著者に対して反論しようとした場合はどのような意見が挙げらるだろうか?、等)
後期では、自分が興味のあるテーマについて研究し、中間発表の後、論文を作成する予定です。
授業風景
担当者が全体で発表を行っている場面です。担当者が作成した資料を参照しながら進められます。このときに担当者自身が感じた疑問点なども発表され、後のグループディスカッションの議題にもなります。
座席は上2枚の写真の内、下の写真で左側の列が4回生、手前と右側が3回生です。座席が指定されているわけではないのですが、初回の授業でこのような席になり以後ほぼそのままとなりました。授業で同じ座席に座ってしまうように、最初に選んだ席が定着するのは皆さん同じようですね(^.^)
同じ座席に座ってもらう方が他のゼミ生を覚えやすいのでありがたいですが。
3回生と4回生に分かれてはいますがこの後のグループ別討論では一緒になりますし、「和気あいあい」をモットーとするこのゼミには学年による違いはありません。
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グループに分かれて議論をしている様子です。各々が感じた疑問点や飯田先生から与えられたテーマについて討論します。
写真を撮影した時は3回生のグループと4回生のグループに分かれました。別の回では3回生と4回生の両方が加わるようにグループ分けをしたこともあります。
議論が白熱し様々な意見が飛び交うこともあれば,教材が難解でみんなが頭をかかえながらかかえながら話し合うこともあります。最初は著者の考えを理解することに苦労することが多かったのですが、後半になると写真のように皆さん力がついてきて議論が活発になっていきました。
討論が終了すると、各グループの代表者が討論の結果を発表していきます。そのため発表者になった人は討論の内容をまとめるという役目も担います。(議論が白熱すればまとめる内容が多くなりますので頑張らねばなりません。しかしながら、まとめ役が頑張ればそのグループでの討論が注目すべき結論に達することもあるので腕の見せ所でもあります。)
各グループの発表内容は飯田先生が板書してくださいます。
あるグループから教材について疑問が出された場合、あるいは複数のグループから対立する意見が出た際は再びみんなで考えます。
授業の最後には飯田先生に議論をまとめていただきます。回答が出なかった疑問点への返答や、別の回で扱った人物との共通点・異なる点、扱った思想家が与えた影響などを教えていただきます。もちろんここで、飯田先生とは異なる見解を出しても構いません。実際に先生の予想とは正反対の結論がグループ討論から導かれた回もありました。
今学期では以下の教材を扱いました。
・『歴史の必然性』 アイザィア・バーリン
・『隷属への道』 F・A・ハイエク
・『自由からの逃走』 エーリッヒ・フロム
・『市民政府論』 ロック
・『革命について』 ハンナ・アレント
・『正義論』 ジョン・ロールズ
・『アナーキー・国家・ユートピア』 ロバート・ノージック
・『選択の自由 自立社会への挑戦』 M&R・フリードマン
・『不平等の再検討 潜在能力と自由』 アマルティア・セン
・『民主制の不満 公共哲学を求めるアメリカ』 マイケル・J・サンデル
・『クローン、是か非か』 マーサ・C・ナスパウム キャス・R・サンスタイン
・『ナショナリティについて』 デイヴィット・ミラー
一回の授業で一つの教材というペースでした。
前期はじっくりと教材を扱うので、この手の文献にあまり触れたことがない人でも自分なりの意見を討論で披露できるようになります(このホームページの編集担当などまさに該当者)。ゼミ生と討論を重ねていくうちに力は付いていきます。
全体の印象
本格的なゼミは初めてとなる3回生は4回生のやり方を参考にしながらレジュメを作成していました。教材の内容をまとめるには、内容を理解していないといけないので中々慣れないうちは大変だったようです。ですが、授業風景の説明の箇所でも述べたように後半になってくると、各自が意見を持って討論に臨むようになっていきました。
グループディスカッションでは毎回どのグループでも様々な意見が出ており、ホワイトボードが各グループの意見で埋め尽くされた回もありました。
前半で抽象的な話題に取り組んだ成果が、後半の具体的な問題を扱った際に発揮されたように感じました。