Kobeプロジェクト

1 Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間)の研究テーマ

 6年一貫教育を活かしたKobeプロジェクトの実践 -資質・能力(3能力4要素)の要として-

2 Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間)の目標

  • 地球的課題及びグローバル&ローカルな課題を発見・解決する力としての「見つける力」,「調べる力」,「まとめる力」,「発表する力」の4つの力とそれらを総合する「考える力」の育成
  • 主体的・協働的で探究的活動を通して得た「地球的課題」及び「グローバル&ローカルな課題」に対する理解と課題解決への態度の育成

3 Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間)における教育実践研究の視点

⑴ 育てたい生徒像

 グローバルキャリア人として,課題を発見・解決する力としての資質・能力(3能力4要素)を備え,さらに高次の「問い」を立てることができる生徒。また,自らのキャリア形成と関連付けながら「地球的課題」及び「グローバル&ローカルな課題」に対する広い視野と課題解決への意欲を持つ生徒。

⑵ Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間)におけるグローバルキャリア人の構成要素

 グローバルキャリア人の構成要素として,以下の3能力4要素を考えているが,総合的な探究(学習)の時間における中心的構成要素は,Bの思考力やCの実践力と位置付けている。

A 基礎力(Ⅰ 知識・概念 Ⅱ 技能) フィールドワーク(神戸,奈良,その他の国内や海外など),文献調査やアンケート調査などを通しての理解及び調査方法などの習得(見つける力・調べる力の育成)
B 思考力(Ⅲ 論理的・批判的・創造的思考) 探究活動による「まとめる力」及び「考える力」の育成
C 実践力(Ⅳ 自立・協同・創造の力) 課題解決への主体的な態度と行動力の涵養(「発表する力」及び「考える力」の育成)

⑶ Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間)の構成と各期目標

学年 名称 目標 FW
基 礎 期 1年 課題研究入門Ⅰ・Ⅱ 「聞き方・話し方」訓練を踏まえ,神戸・奈良などをフィールドにローカルな視点からグループによる探究活動を行う。「発見する力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」+「考える力」の基礎を身に付けることを目標とする。 神戸 奈良 など
2年
充 実 期 3年 課題研究Ⅰ・Ⅱ 5・6年生で実施する「課題研究Ⅲ・Ⅳ」の前提となる学習を通して,基本的な資質・能力(3能力4要素)を身に付ける。「研究とは何か,どうあるべきか,どうやって行うのか」を通して,「調べ学習」との違いを認識する。 沖縄 など
4年
発 展 期 5年 課題研究Ⅲ・Ⅳ 中等6年間を通して学び体験してきたことを踏まえ,主体的に「研究テーマ」を設定し,これまでに蓄積してきた知識・概念や技能,思考力を総動員するとともに,新たな調査・分析・考察を通して,高等教育に必要な資質・能力(3能力4要素)を育成する。 国内 海外 など
6年

⑷ 目標達成のための学習内容と方法

キーワード:
資質・能力(3能力4要素)  課題研究(卒業研究) 地球的課題  グローバル&ローカルな課題  6年一貫教育

基礎期1・2年

  • 神戸・奈良などをフィールドに地域(ローカル)の特色を教科横断的に学ぶと共に,地域(ローカル)の課題を発見し探究することで,グローバルな課題に対する問題意識を培う。
  • 「聞き方・話し方」訓練を通して「資質・能力(3能力4要素)」の習得を図るとともに,グループによる協同的な探究活動・レポート作成・発表活動に取り組む。
  • 「キャリアフィールドワーク」を通して,職業に対する理解を深める。

充実期3・4年

  • 3~6年協同ゼミに所属しながら,個人個人が様々なテーマのもと課題研究Ⅰ・Ⅱに取り組み,グローバル&ローカルな課題に対する問題意識を深める。
  • 「発見する力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」+「考える力」の充実を図り,資質・能力(3能力4要素)を身に付ける。調べ学習と研究には違いがあることを認識する。
  • 「神戸大学day」(4・5年),「インターンシップ学習KUトライやる」(4年)等を通して大学や職業についての理解を深める。

発展期5・6年

  • 3~6年協同ゼミに所属しながら,個人個人が様々なテーマのもと課題研究Ⅲ・Ⅳに取り組み,地球的課題及びグローバル&ローカルな課題に対する問題意識を深める。
  • 卒業論文(18,000字程度)を仕上げる。さらに和文・英文での要約の作成,プレゼンテーションに取り組む。「見つける力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」+「考える力」の深化(「深い学び」)を達成する。
  • 卒業論文作成(特に課題設定)にあたって,自己の将来や問題意識との関係性を深く考える。

⑸ 目標達成のための評価方法例

<基礎期>

 ポートフォリオ,レポート,アンケート及び発表をもとに,資質・能力(3能力4要素)がどのように養われたかについてルーブリックによる自己評価及び教員による文章評価の実施。

<充実期>

 共通講義・課題(講座)別学習レポート及び発表をもとに,レポート及びポスターの完成度(内容,形式)について,ルーブリックによる自己評価・教員評価の実施。

<発展期>

 卒業研究(一次論文,最終論文,英文要約)の完成度(内容・形式)について,ルーブリックによる自己評価・教員評価を実施。また,中間発表,最終発表会(ポスターやプレゼンテーション)について,ルーブリックによる自己評価・教員評価の実施。

Kobeプロジェクト(総合的な探究(学習)の時間) 目標

地球的課題を発見・解決する力としての「見つける力」,「調べる力」,「まとめる力」,「発表する力」の4つの力とそれらを総合する「考える力」の育成 主体的・協働的で探究的活動を通して得た「地球的課題」及び「グローバル&ローカルな課題」に対する理解と課題解決への態度の育成

  学 年 科目・ 分野等 A 基礎力 (道具や身体を使う) B 思考力 (深く考える) C 実践力 (未来を創る)
知識・理解 技能 思考・判断・表現 関心・意欲・態度
知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度
Ⅰ 知識・概念 Ⅱ 技能 (見つける力) (調べる力) Ⅲ 論理的・批判的・ 創造的思考 (まとめる力) 考える力 Ⅳ 自立・協同・創造 の力 (発表する力)
基 礎 期 1 年 課題研究 入門 Ⅰ・Ⅱ 地域(ローカル)の特色及び課題を理解している。 フィールドワークを通して収集した情報から,地域の特色及び課題の理解につながる知識を読み取っている。 フィールドワークを通して得た知識を読み解き,地域の特色や課題解決の方向性について考察し,まとめている。 「見つける力」「調べる力」によって得た知識・概念を「まとめる力」によって論理的・批判的・創造的思考とし,その思考は「発表する力」によって自立・協同・創造の力としてポスターや論文などに具現化される。 「考える力」は「まとめる力」にも「発表する力」にも働く。 フィールドワークを通して得た知識を読み解き,地域の特色や課題解決の方向性について構想し,発表している。
2 年
充 実 期 3 年 課題研究 Ⅰ・Ⅱ グローバル&ローカルな課題を理解している。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して収集した情報から,グローバル&ローカルな課題の理解につながる知識を読み取っている。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して得た知識を読み解き,グローバル&ローカルな課題解決の方向性に向け考察し,まとめている。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して得た知識を読み解き,グローバル&ローカルな課題解決の方向性に向け構想し,発表している。
4 年
発 展 期 5 年 課題研究 Ⅲ・Ⅳ 地球的課題及びグローバル&ローカルな課題に対する具体的かつ概念的理解を深めている。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して収集した情報から,地球的課題及びグローバル&ローカルな課題の理解につながる知識・概念を読み取っている。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して得た知識を読み解き,地球的課題及びグローバル&ローカルな課題解決の方向性に向け考察し,まとめている。 フィールドワーク,文献調査やアンケート調査などを通して得た知識を読み解き,地球的課題及びグローバル&ローカルな課題解決の方向性に向け構想し,発表している。
6 年

(学習指導要領の4観点と本校研究主題の資質・能力(3能力4要素)との関係を示す。)

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