神戸大学大学院農学研究科
 生命機能科学専攻環境分子物理化学研究室
  神戸大学農学部
生物機能化学科 生物機能物理化学研究室
        

Department of Agrobioscience, Graduate School of Agricultural Science ,
  
 Department of Biofunctional Chemistry,Faculty of Agriculture
Kobe University   
  
本文へジャンプ

研究概要


農作物などに被害を与える酸性雨。その原因物質の一つである窒素酸化物(NOx)を無害な窒素(N2)に触媒を用いて還元する研究を行っています。




FT-IR(Shimadzu FTIR-8600)



GC-MS (Shimadzu QP-5000)








飲料水中や食品中に含まれる各種の微量金属元素がどのように体内へ取り込まれるのかを解明するため、それらの存在量と化学的形態の関係を調べています。




液クロ



キャピラリ電気泳動








食物繊維であるコンブによる有害金属除去の有用性を調べるために、原子吸光分光光度計を用いてコンブ中に含まれるアルギン酸が種々の金属を吸着する能力を比較しています。(詳細はこちら)









赤外分光法を用いて、光合成生物の機能と構造を分子レベルで明らかにする研究を行っています。(詳細はこちら)









赤外およびラマン分光法による生体分子の立体構造解析

赤外分光法は、分子の振動遷移に基づく吸収を観測し、分子の局所的な構造を反映した情報を得る分光法である。この赤外分光法を用いると、未知の分子にどのような官能基が存在しているのか、どのような立体構造をしているのか、生物機能を発現するときに分子構造がどう変化するかなどの情報が得られる。しかし、赤外分光法では水による吸収が大きいために水溶液系の測定が困難である。そこで、水の影響を受けにくいラマン散乱スペクトルを測定し、赤外分光法と相補的に生体分子の立体構造情報を得る。現在、基礎研究として低分子量の有機化合物、アミノ酸、糖類(グルコース、スクロース、フルクトース、トレハロース、ヒアルロン酸、アルギン酸、ペクチンなど)、脂質(セラミドなど)を解析している。また、赤外分光法やラマン分光法によって生物機能を発現するときの生体分子の構造および構造変化を観測し、分子構造と生物機能の関係について研究している。




ラマン散乱測定装置
Kaiser Optical Systems社製 HoloProbe 532






物理化学について
最先端のナノバイオやバイオニクスにおいて非常に高度な技術が使われていますが、その原理を解釈するためには物理化学の基礎が必要です。もし原理を知らずに最先端の機器を使用すると、誤った解釈をする可能性、重要な結果が得られていることに気付かない可能性があるでしょう。また、そのような最先端の解析を発展させて新たな解析法を確立するためにも物理化学の知識が必要です。

動的構造について
“構造と機能相関”という言葉をよく見かけますが、その場合には化学構造や静的構造(X線結晶構造解析で決定された立体構造)だけではなく、機能を発現している状態での構造および構造変化(動的構造)を観測する必要があるでしょう。また、分子が結晶中に存在するときには、結晶場、分子間水素結合、結晶水(あるいは水和水)などの影響にさらされた状態にありますが、水溶液中に存在するときには、水和、会合、プロトンの脱離、pH、塩強度などの影響を受けています。それらの外的要因による構造変化と反応に伴う構造変化を分離し、機能に直接関係する動的構造を観測することが生物機能の解明に繋がります。

TOPにもどる