授業研究会

 本校では「グローバルキャリア人」の育成を教育目標に掲げ、新学習指導要領の方向性を踏まえた教科教育と資質・能力論、SSHで取り組む課題研究やフューチャー・イノベーター・トレーニング(FIT)、ユネスコスクールの特色を活かした各種実践等、様々な教育実践活動を行っています。

グローバルキャリア教育

 本校では、研究指定を受けながら実践研究を深化させる中で、「グローバルキャリア人」を「国際的視野を持ち未来を切り拓く、真理探究の精神に富んだ人材」と再定義している。

  • 6年一貫教育の中で「基礎期:1・2年」「充実期:3・4年」「発展期:5・6年」の3期において、どのような「資質・能力」を育成すべきかという「目標」を立てて実践を行っている。
  • 研究事業に取り組むことで、学校の「カリキュラム・マネジメント」機能が強化されている。
  • 主体的・対話的で深い学び」を実現しようとしている。
  • SDGs達成に向けたESDを推進することにより、グローバル&ローカルな視点にもとづく「地球的課題」を正面に据えている。

開催案内

本校では、研究テーマとして「国際的視野を持ち、真理探究の精神に富んだグローバルキャリア人を育成するカリキュラムと評価方法の研究-資質・能力をどのように育成し、どのように評価するのか-」を掲げ、神戸大学教員の協力を得ながら、全教科・領域で教育実践研究に取り組んでいる。本校の教育実践研究は、概ね本校が重視してきた教育実践を対象としており、次のような特色を持っている。

A 前身である附属住吉中学校・明石中学校の伝統

  • 小集団学習(その発展形態としての協同学習):附属住吉中学校の伝統が継承されており、後期課程でも実践の輪が広がっている。「主体的・対話的で深い学び」を展開する上で大切な手法と位置付けている。
  • 総合単元学習:戦後展開された学習法で、附属住吉中・明石中で実践されていたが、現在も国語科で実践している。また,英語科ではCLIL(Content and Language Integrated Learning:内容言語統合型学習)を援用した実践を行っており、公民科の学校設定科目ESDにおいても他教科の教員や栄養教諭と連携して授業を行っている。生徒の自己学習を尊重し、単元を重視しつつ教科の枠を越えて横断的に学ぶスタイルは、新学習指導要領の方向性にもつながる。

 

B 本校創設に伴って始まった教育実践研究

  • Kobeプロジェクト(6年一貫で行う「総合的な探究(学習)の時間」):「見つける力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」+「考える力」などのリサーチリテラシーの育成を重視し、最終的に「卒業研究」として18,000字程度の論文を作成する実践を行っている。
  • 中高一貫教育研究:中等教育学校の使命でもあり、発達の節目を「基礎期:1・2年」「充実期:3・4年」「発展期:5・6年」に3区分して、全教育課程で実践研究を行っている。後期課程発足後、授業研究会で前期課程(中学)と後期課程(高校)の授業を公開し、多くの教科で実践研究の素材提供を行っている。生徒の意識調査等の結果では3区分とのズレが生じる側面もあり、今後の研究課題と考えている。
  • 研究アドバイザリー制度:大学との連携が進む中、英語科で導入。英語科が推進している本校独自の英語評価尺度の開発をはじめとする英語教育の高度化事業に貢献している{詳細は、『英語科5年誌-後期課程発足後の歩み-』(2016)、『神戸大学附属中等教育学校英語科6年間の歩み-実践編-』(2017)、『神戸大学附属中等教育学校英語科10年記念誌』(2021)参照}。

 C 近年取り組みはじめた教育実践研究

  • 小中等接続研究:英語教育を中心に初等教育と中等教育をつなぐ教育課程開発等を、大学教員と連携して行っている。ESDや健康保持増進(ヘルスプロモーション)の実践研究についても着手している。
  • 高大接続研究:本校教育の「卒業研究」や「フューチャー・イノベーター・トレーニング(FIT)」等の特色ある教育と神戸大学の学部教育をつなぐ取組を試行している。
  • 附属学校部内組織として「初等中等高等グローバル教育研究センター」(ASGerセンター)を設立し,校種を越えた一貫教育・接続教育の総合的研究に着手している。
  • 従来から行っている兵庫県・神戸市の中学校・高等学校との研究交流や全国の附属学校とのピアレビューの取組に加え、平成28年度から広島県立福山誠之館高等学校(「高等学校課題発見・解決学習推進プロジェクト」の研究開発校の指定)との相互実践交流を開始している。

上記、特徴的な教育実践研究について紹介したが、部分的・断片的な取組も多く実践は豊富であっても、それらの実践を研究対象として位置付け検証評価することについては、まだ至らざる部分も多い。神戸大学及び大学教員の協力を仰ぐと共に、本校教員の研究能力の向上が喫緊の課題である。

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