T-010による自殺発芽誘導の有効性の検証を可能としたSATREPS事業は平成27年3月で終了しましたが、幸い、平成28年度SATREPS事業に再度採択していただきました。引き続き、スーダンを中心に研究成果の社会実装を進めていきます。自殺発芽誘導はストライガにとどまらず、同様の発芽応答を示すオロバンキやフェリパンキにも適用できます。そのため、今後は様々な根寄生雑草を対象として防除研究を展開したいと考えています。前回のSATREPS事業の成果および今回のSATREPS事業の概要は、それぞれのホームページを参照してください。
一方、形態形成に対する機能が発見されてから、SLは新規植物ホルモンとして注目を集めています。私たちは発芽刺激物質探索の過程でいくつものSL高生産系を有していることから(Yasuda et al. 2003,
Sugimoto and Ueyama 2008, Motonami et al. 2013)、ホルモンとしての重要性に鑑み、これらを利用したSL生合成研究も進めています。競争が厳しい分野ですが、私たちしか見出していない(と思いたい)知見をいくつも有しています。また、気孔開度を高く維持することによる、ストライガの養水分収奪戦略にも興味が尽きません。国内では、これらの研究を丁寧に進めていきます。

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