Graduate School of Agricultural Science, Kobe University Division of Applied Chemistry in Bioscience Functional Phytochemistry Lab 本文へジャンプ
神戸大学大学院農学研究科
応用生命化学
  植物機能化学分野
 
 
  「最近の研究活動」
    杉本 幸裕 【すぎもと ゆきひろ】

養水分収奪

宿主に寄生したストライガは木部導管を結合することが知られています(写真7)。二つの管が繋がっている場合に、一方(宿主)から他方(ストライガ)に都合よく水が流れる仕組みはどうなっているでしょうか。私たちは寄生関係にあるソルガムとストライガの気孔開度を調べ、土壌の乾燥程度に関わらず、ストライガは常に気孔開度を高く保っていることを見出しました(Inoue et al. 2013)。湿潤条件であれば宿主も気孔を開放しているので、両植物の葉から水が蒸散すると考えられますが、乾燥条件で宿主の気孔が閉じると、蒸散流はストライガに偏ります。このことは、ストライガによる被害が半乾燥地域で顕著になることとよく一致します。