セミナー

談話会・講演会

Schrödinger方程式の解の時空間特異性

講演者:
伊藤 健一氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2025.4.15(火) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 4階 B428−430

発展方程式に滑らかではない初期値を入れて解くと、方程式の型に応じて解の特異性に異なる特徴が現れる。 例えば、熱・拡散方程式では平滑化効果により解は即座に滑らかになるし。また波動方程式では特異性が光円錐上を測地線に沿って有限速度で伝播する。 Schrödinger方程式はある意味でこれらの中間的な性質を持ち、特異性が測地線に沿って速度無限大で伝播して、解の無限遠方での増大度に変換される(その逆も起こる)。 Schrödinger方程式の解に対し、各時間を固定したときの空間変数関数としての特異性についてはHassell-WunschやNakamuraの特徴付けが知られているが、本講演では時空間変数関数としての特異性について考察する。本研究は藤井豪琉氏(東京大学)との共同研究に基づく。

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Some generalizations of Mirzakhani's recursion and Masur-Veech volumes via topological recursions

講演者:
藤 博之氏(神戸大学 数理・データサイエンスセンター/大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2024.6.6(木) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 4階 B428−430

本講演では、点付きリーマン面の2次微分のモジュライ空間のMasur-Veech体積の拡張について、Jackiw-Teitelboim (JT)重力理論と位相的漸化式を基に論じます。 位相的漸化式は、行列模型の分配関数の漸近解析から見出された相関関数の間の漸化式である一方で、 境界付き双曲リーマン面のWeil-Petersson体積が満たす、Mirzakhaniの漸化式もまた位相的漸化式として表されることが知られています。 また、近年の2次元ディラトン重力の一つであるJT重力の分配関数に関する解析では、Mirzakhaniの漸化式を用いた重力の量子的側面や双対性の解析が行われています。 こうした理論物理学的背景を基に、Masur-Veech体積が従う位相的漸化式の物理的解釈について論じ、さらに(2,2m+1)ミニマル弦理論への拡張結果などについても報告したいと思います。
なお本講演は、真鍋征秀氏(大阪公大・大阪大)との共同研究 arXiv:2303.14154 [math-ph] に基づきます。

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ニューラルシンプレクティック形式とそれに対する変分的数値積分法

講演者:
陳 鈺涵 氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2023.10.30(月) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 4階 B428−430

近年、深層学習によって、データから運動方程式を学習する⼿法が注目されている。 そのような方法としては、特に、ハミルトニアンニューラルネットワークが代表的であるが、この手法では、運動方程式として、一般化座標と一般化運動量を用いて表されたハミルトン方程式を仮定していた。 これに対して、我々は、ニューラルネットワークを用いてシンプレクティック形式を学習するニューラルシンプレクティック形式を提案した。 この方法では、一般的な座標系で表現されたデータからハミルトン方程式を学習することが可能である。 本講演では、ニューラルシンプレクティック形式を紹介し、さらに、それに対する変分的数値積分法の導出法についても述べる。

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モノドロミー保存変形の見かけの特異点による表示とその応用

講演者:
光明 新 氏(神戸大学 数理・データサイエンスセンター/理学研究科)
日時:
2022.12.6(火) 17:00-18:00
場所:
理理学部B棟 4階 B428−430

モノドロミー行列を不変に保つような線形方程式の変形をモノドロミー保存変形といい、この変形から非線形微分方程式が現れる。 今回は線形方程式の階数を2に限定し、線形方程式の見かけの特異点を用いて実際にモノドロミー保存変形から非線形方程式を導出する方法を説明する。 そしてそのような非線形方程式のある具体例に対して、その非線形方程式がモノドロミー保存変形から導出されることを利用して、代数幾何学的にその非線形方程式の特殊解を構成する。

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欠測データに対する平均ベクトルの仮説検定法

講演者:
首藤 信通 氏(神戸大学 数理・データサイエンスセンター/理学研究科)
日時:
2022.7.20(水) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 3階 B301

多変量統計解析における母集団分布の位置尺度に対する仮説検定法として、平均ベクトルの仮説検定法がある。 本講演では,データセットの一部に欠損が生じている欠測データにおいて、観測されている部分が正規性をもつ仮定の下で、平均ベクトルの仮説検定法を構成する。 また、その仮説検定法に対するBartlett型修正を与える。さらに、母集団分布を楕円分布族に拡張した場合の結果についても紹介する。

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対称函数の研究 -基本公式, 特殊値及びその応用-

講演者:
渋川 元樹 氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2022.5.18(水) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 4階 B428−430

本講演では多変数特殊函数の典型例である対称函数(多項式)の研究を、講演者の最近の研究を中心にして紹介する。
特に、1) 古典的なPieri公式の変奏、拡張にあたる基本公式(互いに相異なる同時可換な微分(or 差分)作用素族{DA}、{DB}とそれらの同時固有函数族{fA}、{fB}への作用 DAfB、DBfAを明示的に書き下す基本公式) 2) 対称函数の特殊値といった topicsとその応用について、専門外の方にも楽しんでいただけるようにお話ししたい。

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絡み目および溶接絡み目のMilnor不変量

講演者:
和田 康載 氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2021.5.11(火) 17:00-18:00
場所:
Zoomによるオンラインでの開催

本講演では、まず3次元ユークリッド空間内の絡み目の不変量であるMilnor不変量の定義および性質を紹介する。 そして、絡み目のMilnor不変量を、絡み目の一般化にあたる溶接絡み目に拡張する方法について述べる。

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$(-2)$ blow-up formula

講演者:
大川 領 氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2020.11.10(火) 17:00-18:00
場所:
Zoomによるオンラインでの開催

この講演では$A_1$特異点から定まるネクラソフ分配関数について紹介する。 これは特異点解消上の枠付き連接層のモジュライにおける積分を係数とする母関数である。 特異点解消として二つ、極小解消とスタック的な解消、つまり、射影平面を位数$2$の巡回群で割った商スタックを考える。 これら二つの特異点解消から定まるネクラソフ分配関数の関数等式について紹介する。 ひとつは、伊藤-丸吉-奥田が予想した関数等式であり、もうひとつを$(-2)$ blow-up formulaとして提案したい。

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対称べきL関数のlow-lying zeroと対称2次L関数の特殊値について

講演者:
杉山 真吾 氏(日本大学理工学部数学科)
日時:
2020.10.21(水) 17:00-18:00
場所:
Zoomによるオンラインでの開催

「L関数の低い位置にある零点(low-lying zero)たちの分布は、ランダム行列理論から生じるコンパクト古典リー群の固有値分布と一致するだろう」というKatz, Sarnakの予想がある。 この予想をサポートする現象は、Dirichlet L関数や楕円モジュラー形式のスタンダード保型L関数など、いくつかの場合に確認されてきた。 本講演では, 総実代数体上のGL(2)のコホモロジカル既約カスピダル保型表現の族の対称べきL関数に着目し、そのL関数の零点分布と対称2次L関数の特殊値との 関係について論じる。 本講演ではさらに、今回得られた結果を踏まえて、low-lying zeroの分布とL関数の特殊値の関係に関する予想も提示する。

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多変数超幾何積分について

講演者:
松原 宰栄 氏(神戸大学大学院理学研究科数学専攻)
日時:
2020.2.12(水) 17:00-18:00
場所:
理学部B棟 4階 B428−30

多変数超幾何積分の積分路全体は局所系係数の急減少ホモロジー群として書ける。 従って積分路の良い基底を求めることが問題となる。 本講演ではまず古典的な停留位相法による基底の構成を振り返り、その基本性質を述べる。 後半ではGKZ 系の観点からの講演者によるアプローチを紹介し、その応用を述べる。

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