IV KーAr年代測定


 高松クレーターのガラス岩片3個,流紋岩岩片3個,および黒雲母デイサイト溶岩1個のKーAr 年代測定をテレダイン・アイソトープ社に依頼しておこなった.いづれも全岩試料である.壊変定数はSteiger and Jager (1977) を用いた.分析結果をTable 3に示す.高松クレーターガラスについては,大気Arの混入率が90ー96%と高く,分析の信頼性は低いが,3試料の分析結果は12.8±3.8,<19.5,<21.7 Maの値であった.流紋岩岩片は大気Ar混入率は26ー32%程度で,比較的信頼性の高い年代値が得られた.流紋岩岩片の年代は,13.8,14.0,14.2 Ma±0.7 Maであった.この流紋岩はガラス岩片と全岩組成はほぼ等しく同源であると考えられ,以上の年代は整合的である.黒雲母デイサイト溶岩の年代は14.2 ±0.7 Maであり,流紋岩岩片と誤差範囲で同じ年代である.いづれも,瀬戸内火山活動の年代(吉田ほか,1993)と一致する.