教養原論「地球と環境」2回目 担当:佐藤博明
〔2〕火山噴火の規模と多様性
<噴火の規模>
VEI(Volcano Explosivity
Index:火山爆発指数)は
ほぼ噴出物量の体積の対数に比例する。
VEI〜Log(火山噴火のエネルギー)
熱エネルギー = ρVCpΔT >80%
運動エネルギー = ρVU2/2
<10%
位置エネルギー = ρVgh 〜10%
地震エネルギー、空振エネルギー
爆発エネルギー(破砕)
なので、噴火エネルギーはほぼ噴出物量に比例する。
<噴火の規模と頻度の関係>
Log-Logで線形の関係は、冪の関係、スケール不変
(scale
invariant),または自己相似(self-similarity)と呼ばれ、
フラクタルの一種である。自然現象にはこのような冪の関係が
多く認められ、例えば、地震、隕石、等が同様の規模-頻度関係
を示す。気象は別。フラクタルは、乱流、破壊、浸潤、自己組
織化臨界現象等で発生する。
・
日本の火山の噴火規模と頻度(町田・新井)
<噴火様式>
・
マグマの飽和含水量
ほぼ圧力の平方根に比例する。
<噴火様式を決定する要因>
・
マグマの発泡/破砕/爆発的噴火
マグマ中には1〜7重量%の水が含まれていると考えられてい
るが、それらはマグマが上昇・減圧すると過飽和になり発泡する。
1%の水は1気圧1000℃で、元のマグマの約100倍の体積を有
するため、元々1m/秒で上昇していたマグマは地表で火道径が一定
ならば約100m/秒の高速で爆発的に噴出することになる。マグマ
の上昇が遅くて、途中で気泡が脱ガスすれば、マグマは一定速度で
上昇して溶岩流出のような静かな噴火を生じる。
日本列島では1万年に1回程度の頻度でVEI=7クラスの巨大噴火が
生じる。このような噴火の兆しがあった場合どのように対処するべき
か? 実際に起こったらどのような災害が予想されるか?
⇒ 黒岩耀著「死都日本」講談社
・
日本の主な火山災害
QUIZ:
A: ビデオの感想,質問,など
B; 表3を見て、日本の火山災害の特徴について記せ。
前回のQuiz回答結果「人類絶滅までの時間」
100〜年:31名,1000〜年:58名,1万〜年:28名,
10万〜年:13名,100万〜年:13名,1000万〜年:28年,
1億〜年:10名,10億〜年:9名,永遠:15名