神戸大学大学院国際協力研究科 復旦大学国際関係・公共事務学院 高麗大学校国際大学院

News & Topics

リスクマネジメントセミナー「Risk Management Seminar "Rising from the Rubble: How Is Christchurch, New Zealand Managing Its Earthquake Recovery?"」が開催されました。


 2012年12月18日、キャンパスアジア・プログラムでは、カンタベリー大学法科大学院のエリザベス・トゥーミー教授を招き、標記テーマをテーマにリスク・マネジメント・セミナーを開催しました。クライストチャーチでは2010年と2011年に地震があり、この地震は人々の心に爪痕を残しただけでなく、断水や停電、下水道システムの崩壊など、生活インフラへの深刻なダメージをもたらしましたが、トゥーミー教授はこの2つの地震におけるカンタベリー地域や住民そして政府の対応に関する発表を行いました。

リスクマネジメントセミナー20121218-1
 政府は、カンタベリー・コミュニティーの迅速な復興を目的とした「カンタベリー地震対応・復興法2010」と「カンタベリー地震復興条例2011」を緊急立法として制定しましたが、トゥーミー教授は「復興戦略計画の策定プロセスに市民の参加が得られたことは評価出来るが、新しく制定された法律では依然として震災担当大臣が復興戦略計画の変更や取り消しの権限を有しており、トップダウン型のものである」と指摘されました。政府組織であるカンタベリー地震委員会(Canterbury Earthquake Commission: EQC)が居住家屋の被災状況を調査し、被災の程度によって6つに区分けされた区域ごとに安全評価を実施し、補償を行う役割を一部担い、例えば、レッドゾーンの住民には移転のための補償金を提供するが、グリーンゾーンは居住には安全であると認定するなど、各ゾーンの補償条件が政府によって決められていると言うことです。さらに「カンタベリー地震復興条例2011」では、保険会社やEQCから損害賠償を得るために家主が明け渡した土地や建物を政府が買収する権利を有し、再開発のために政府は個人が所有していた土地や建物を強制収容や評価額の半分以下での買収などを通じて、実際に761件入手したことも紹介されました。また、賠償は実際の損害に対して行われただけでなく、2011年条例に伴う規制の変更の結果生じた損失や、ビジネス上の損失などに対しても支払われたということです。
 トゥーミー教授は、深刻さを極めた震災への迅速な対応が求められる中で、政府によるカンタベリー復興計画と補償政策にはいくつかの欠陥があったとし、不正な目的のための権力の乱用、法的権限の悪用、法廷へのアクセスの基本的な権利の剥奪などに関連して、今後、さらなるレビューが必要であると示唆しました。トゥーミー教授は最後に、「クライストチャーチは神戸の復興から何を学べるのか?」という言葉でセミナーを締めくくりました。

リスクマネジメントセミナー20121218-2