「世界はこうしてだまされたII UFO神話の破滅」

高倉克祐著、悠飛社、ホット・ノンフィクション、1000円

 本書は先に紹介した本の続きである。まずナチスがUFOを作り、火星へ飛んでいったという矢追氏のトンデモナイ番組を分析し、UFOではなくUボートであろうと、推論する。またアポロ打ち上げのシーンで、変なものが写っているが、これを矢追氏の番組ではUFOではないかとしている。ところがそれはビデオの前後を見れば、明らかに発射塔の一部である。矢追氏は当然、そのことを知っているはずである。しかし、前後は見せないのである。矢追氏の番組が、このようなやり方で、作られていることを著者は指摘する。

 次に、前著でコンノ氏と議論になった、アポロ13号の核爆弾とされるものが、プルトニウム電池であることを、ことこまかく例証する。またコンノ氏がUFOの写真であるとするものは、アポロ宇宙船のEVAライトであることを、疑問の余地がないほど、克明に証明する。しかもコンノ氏の写真は裏焼きであることも証明する。まあ、ここまでやっても、コンノ氏は懲りないであろうことは、容易に想像できるが。しかし「UFOの真贋論争が一般読者に見えるところで行われることは、きわめて意義のあることだと」著者は考える。

 最後にロズウェル円盤回収事件にふれている。こここで回収された円盤なるものは、当時アメリカがソ連の原爆を探知するための気球を飛ばすという、秘密のプロジェクト・モーガルの気球の破片であることを、米国空軍の調査から述べている。しかしこのロズウェル事件でも、地元に博物館ができたり、多数のUFO論者がそれで生計をたてている。だからいかに証拠をあげて論じようと、合理的な議論を展開しようと、これらのUFO論者を改宗させることは不可能である。なぜなら、かれらは職業的UFO論者なのであって、改宗してしまえば、飯のくいあげになるからだ。だから、あやふやであるとか、ウソであ ると分かっていても、番組を作り、本を書いて生活するのである。本書のような本の目的は、彼らを改宗させることにあるのではなく、彼らの被害に会いそうな人を救済することにあると思う。


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