「マーフィーの法則」

アーサー・ブロック著、倉骨彰訳、アスキー出版、1600円

「失敗する可能性のあるものは、失敗する」で始まり、「始まりがよいと、終わりは悪い。始まりが悪いと、終わりはなお悪い」などという、皮肉な法則を集めた「マーフィーの法則」という本が、ベストセラーになっている。マーフィーの法則は、1949年、エドワード空軍基地で働いていた技術者のエドワード・マーフィーが始めに言いだしたものらしい。スタップという少佐がテスト飛行中、試験装置の異常を認めた。その原因を調べると、誰かが間違ったセッティングをしていた。これを発見したマーフィーが「いくつかの方法があって、1つが悲惨な結果に終わる方法であると、人はそれを選ぶ」と言ったという。スタップ少佐がそれを紹介していらい、技術者の世界で広まっていった。しかし今では、マーフィーの法則とは、もともとの法則を含む、拡張されたマーフィー的法則全般をさす。傘を買うと雨が止むとか、トイレや風呂に入ると電話がかかってくるとか、そんなマーフィーの法則的経験をした人は多いであろう。

 実は筆者も最近、研究費の申請書類などを書いていて、必要な書類は必要な時には見当たらないという事実を発見した。これにはなにか普遍的な理由があるに違いないと思って、本書を買って読んでみたのだ。そしたらあった。「重要書類は、あなたが置いた場所から、あなたが見つけられない場所に移動することによって、その重要性を証明する」「ファイルすると、ある場所はわかっていても必要にならない。ファイルしておかないと、必要になるが、どこにあるかわからない」「さがしていないものはかならず見つかる」などなど。「必要な書類はかならず「紙隠し」に会う」といえば、日本流マーフィーの法則の 出来上がりである。

 筆者が経験したマーフィーの法則としては、「トイレの扉の外にいるか内にいるかによって、時間の流れる速さはことなる」、「短い列に移動しようとすると、とたんに列が長くなる。長い列で待っていると、すぐ後ろに並んでいた人たちが、新しくできた短い列に移動する」などがある。こんな法則もある。「おかしくなった状況を復元するのにかかる時間は、おかしくなるのに要した時間に反比例する」ダイエットしている人にとって「Xキログラム太るより、Xキログラムやせるほうが時間がかかる」という経験はあるであろう。最近、電力会社の値下げの通知が届いた。それを読んで発見した松田の公共料金の法 則「値上げは最大、値下げは最小」、円高の法則「円高で被害を受ける業界は最大の声を上げ、利益を得る業界は最小の声を上げる」みなさんも自分流マーフィーの法則を発見してみよう。


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