「ハッピーネットワーキング」

山本和彦著、アスキー出版局、1500円

 インターネットが大はやりである。梅田の紀伊国屋へ行くと、コンピューター関係の書籍の棚は、和書、洋書にかぎらずインターネット関係の本が花盛りである。またアメリカのゴア副大統領の提案する情報スーパーハイウェーの本などは、ビジネス書の棚にならんでいる。

 インターネットとはもともとはアメリカから発生したもので、現在では世界中のコンピュータを接続したネットワークである。昨今はパソコンでもつながる。もっとも重要な機能は、電子メールである。そのほか、ニュースグループ、ファイルの転送などがある。これらの機能はパソコン通信と変わりないが、世界的な規模であることと、タダであることが大きい(もっとも通信費は大学などの公的機関が支払っているのだが)。そのほかよそのコンピュータに直接接続できることとか、昨今流行のWWWなどがある。WWWではシューメイカー・レビー彗星などの最新の画像がNASAから得られたり、気象衛星の画像がいつも見られる。評者の研究室の大学院生などはやみつきになっている。

 本書は「新入生のためのインターネット入門」という副題にあるように、大学の初年級の学生が、UNIXコンピュータを用いてネットワークに接続する技術をやさしく解説してたものである。著者が九州大学にいるときに書かれたもので、神戸大学でもインターネットの講座の時の教科書として使用されている。ところでインターネットが花盛りだと書いたが、現実はだれでもがアクセスできるというものではない。主として大学、研究所などの研究機関にいる人達が利用している。しかし最近は金さえ払えば、家庭でも接続できるようになった。

 特に重要な機能が電子メールである。それにはにがい思い出がある。1987年の2月のことであった。銀河系から16万光年はなれたマゼラン雲で超新星1987Aが爆発した。当時の日本はインターネットにつながれているコンピュータは東京とつくばにしか無く、この超新星発見に関する電子メールの嵐は、京都大学を素通りしていったのである。インターネットにようやく接続された後、私がロンドンにいる友人に始めて送った電子メールに対する返答は「リアルワールドにようこそ」であった。

 ○○製作所とか○○重工といった日本を代表する(ハイテク)企業に勤める評者の元の学生たちの嘆きは、大学と違ってインターネットに簡単にアクセスできないことだそうだ。上層部の老人たちはネットワークの重要性がまるでわかっていないのだ。電話やファックスがなくても、生活や仕事には困らないというようなものだ。


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