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アトラクションパーツP 塗膜乾燥固化

 

著者の所属色分け→神戸大学(教員) 神戸大学(学生) 他大学 企業

論文内容の自己評価

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スラリー塗膜の乾燥速度と表面の光学特性

山本剛大相澤栄次今駒博信大村直人

化学工学論文集 353pp.297-303(2009)

要 旨

ミクロンオーダーの球形のポリメタクリル酸メチル微粒子をポリビニルアルコール水溶液中に分散させたスラリーを平面基材上に塗布した塗膜の乾燥速度を改良材料温度変化法により実測した.この際,乾き層中に空隙が形成され難いと想定される微粒子体積/ポリマー体積=0.25 - 1の範囲を対象とし,粒子径の影響も検討した.その結果,減率乾燥速度は粒子濃度の増加とともに低下した.その程度は粒子径が小さいほど大きかった.その際,空隙はほぼ形成されなかった.

また,先の乾燥実験で得た乾き塗膜表面の光沢度を実測し,微粒子体積/ポリマー体積と粒子径が光沢度に与える影響に関しても実験的検討を加えた.その結果,光沢度は粒子濃度の増加とともに減少したが,粒径による違いは小さかった.

 

キーワード:乾燥速度、材料温度変化法,ポリビニルアルコール,ポリメタクリル酸メチル,光沢度

 

微粒子局在塗膜の光学特性と塗膜内凝集構造

吉羽 洋・菰田悦之今駒博信薄井洋基

粉体工学会誌 444pp.234-241(2007)

Abstract(本文は和文)

     PET films were coated with slurries consisting of various sizes of particles using spin coating. The clusters of particles were formed in the coated layer. We studied the correlation between the number of primary particles in the clusters predicted by Usui’s suspension model and the optical properties. All coated films showed a correlation between the number of primary particles and the opacity or transmittance. Especially for the primary particles with diameter of 13 and 6 mm, we found a strong correlation with the coefficient of correlation higher than 0.9. On the other hand, the structure of film coated with 2 mm particles changed during process and the area occupied by the particles was decreased. Introducing a correction in the transmittance by the area decreased, we also obtained a strong correlation even for 2mm particle coated film.

 

Keywords: Spin coat, Primary particle, Optical property, Haze, Transmittance

 

塗布乾燥における光学特性制御

吉羽 洋・今駒博信菰田悦之薄井洋基

化学工学論文集 331pp.48-52(2007)

要 旨

粒径が異なるそれぞれのスラリーをPET基材上にスピンコート方式により塗布し,3種類の乾燥方式(伝導,放射,対流)にて乾燥を行って薄膜を形成した.固液分散スラリーをスピンコート方式により薄膜形成する過程において,スピン回転数によるせん断で二次凝集粒子の分散が可能なことはわかっているため,回転数を1000-5000min-1の範囲で変更し分散状態を変化させた.得られた薄膜について外観を確認するするとともに,光学特性のひとつであるヘーズを測定した.その結果,粒径2mm以上の粒子は外観およびヘーズは乾燥方式に依存せず,スピンコートの回転数による分散状態のみにより変化することがわかった.一方,100nmの粒子では乾燥方式の影響を強く受けて外観は異なり,ヘーズの値も伝導>放射>対流の順番で大きくなった.以上から,粒径により適切な膜厚または乾燥方式を選定することで,光学特性をコントロールすることが可能であることがわかった.

 

キーワード:スピンコート,ヘーズ,伝導,放射,対流

 

 

ラテックスをバインダーとして用いた繊維質収縮性薄層の対流−伝導乾燥

今駒博信・森 剛志・大村直人・吉田正道鳥谷明弘

化学工学論文集 295pp.722-725(2003)

要 旨

顕著な乾燥収縮を起こす粒子分散系塗布層のモデル系としてゴムラテックス液で十分に湿った脱脂綿薄層を高分子フィルム基材上に乗せ,上下両面から熱風を供給することで,薄層の対流−伝導乾燥を,高温高速(上)−低温低速(下)または低温低速(上)−高温高速(下)熱風を用いて行い,液の初期水分濃度を変えて乾燥速度を測定した. 乾燥速度は初期水分濃度が低いほど小さくなった.乾燥所要時間は高初期水分濃度域においては高温高速−低温低速条件下で短くなったが,低初期水分濃度域では逆に低温低速−高温高速条件下で短くなった. このとき乾き層の収縮の程度は液の初期水分濃度に依存しなかった.これらの結果は,報告済みのポリビニルアルコール(PVA)水溶液で湿った場合と同様であった.しかしラテックスでは,PVAに比べて全般に乾燥速度が大きく,乾燥所要時間の逆転が生じる初期水分濃度は小さくなった.また乾き層の力学的強度は弱かった.

 

キーワード:塗布膜,乾燥,ラテックス,ポリビニルアルコール,バインダー

 

高分子水溶液で湿った繊維質収縮性薄層の対流−伝導乾燥特性

今駒博信・森 剛志・久保田克之吉田正道

化学工学論文集 295pp.695-697(2003)

要 旨

顕著な乾燥収縮を起こす粒子分散系塗布層のモデル系としてポリビニルアルコール(PVA)水溶液で十分に湿った脱脂綿薄層を高分子フィルム基材上に乗せ,その薄層の対流−伝導乾燥を上下両面から熱風を送ることで行い,乾燥速度を測定した.熱風条件は高温高速(上)−低温低速(下)またはその逆で行い,水溶液初期濃度を変えた. その結果,初期乾燥速度が大きなときほど乾燥所要時間が長くなる場合が存在することを実験的に示した.また湿り脱脂綿層と同じ初期厚さのPVA水溶液膜の乾燥速度も測定し,両者の速度を比較検討した.その結果,湿り脱脂綿層の乾燥では,水溶液の乾燥に近似できる材料内に空隙が存在しない期間,部分的に空隙が形成する期間,非収縮性材料の乾燥に近似できる材料全体に空隙が形成した期間が現れることを実験的に示唆した.

 

キーワード:対流乾燥,伝導乾燥,高分子水溶液,乾燥収縮,乾燥所要時間

 

グリセリンを含んだポリビニルアルコール水溶液膜の乾燥挙動

今駒博信・中井清孝・久保田克之山村方人吉田正道

化学工学論文集 294pp.582-584(2003)

要 旨

多成分均相系溶液のモデル系としてポリビニルアルコール(PVA)+グリセリン+水系を取り上げ,その薄膜の赤外線放射連続および間欠乾燥を行い,乾燥曲線を測定した.連続乾燥結果よりPVA質量基準平均含水率に対する乾燥速度は,グリセリン分率に関わらずPVAのみの場合と全含水率範囲にわたってほぼ一致した.また間欠乾燥曲線の一致も良好であった.この結果は乾燥装置設計・操作上有用である.

 

キーワード:塗膜乾燥,ポリビニルアルコール水溶液,グリセリン,間欠乾燥,赤外線乾燥

 

両面対流方式塗膜乾燥実験装置による乾燥曲線の測定

今駒博信・江田昌之・久保田克之山村方人吉田正道

化学工学論文集 294pp.579-581(2003)

要 旨

シート状基材上に塗布層を形成させた塗膜の乾燥曲線を連続測定できる乾燥実験装置を提案した.実際の塗膜乾燥は両面対流方式を用いて短時間で行われることが多いが,この原理を実験室で再現しながら,塗膜試料の微小な質量減少を追随するのは困難であった.本研究では,パソコンにつないだ2台の電子天秤を跨いだ試料の上下面から試料に衝突熱風を供給することで,試料の質量変化を連続的に測定可能な,両面対流方式乾燥器を模擬した乾燥実験装置を製作し,その性能を検討した結果,風速0.6m/s以下で満足できるデータが得られた.

 

キーワード:塗膜乾燥,両面対流方式乾燥器・ポリビニルアルコール水溶液

 

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