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要素アトラクションE3 ハイブリッド乾燥特性曲線
著者の所属色分け→神戸大学(教員) 神戸大学(学生) 他大学 企業
論文内容の自己評価
SS たいへんよくできました
S よくできました
無印 それなりにできました
ハイブリッド乾燥特性曲線を用いた塗装面の非一様赤外線乾燥モデルと基材の熱伝導性が局所乾燥速度に及ぼす効果 S
今駒博信・堀江孝史・曽谷絵里子・北 拓士
塗装工学 45巻1号pp.12-22(2010)
要 旨
塗装面での近赤外線発熱率が面上の位置で周期的に変化する場合に対する1次元塗装面の非一様赤外線乾燥モデルを提案した。このモデルは熱風乾燥や一様赤外線乾燥にも有効である。また、塗装面の乾燥モデルに加えて、面上の任意の位置の塗料膜に対する乾燥モデルとして、従来の乾燥特性曲線に代えてハイブリッド乾燥特性曲線を提案した。
アクリルエマルション系水性塗料膜に対するハイブリッド乾燥特性曲線を導出し、先のモデルを用いて塗装面の熱風乾燥過程と一様赤外線乾燥過程の高水蒸気圧下でのシミュレーションを実施した。その結果、材料予熱期間では、熱風中の水蒸気の塗装面への凝縮により含水率が増加し、その量は熱風乾燥で大きかった。定率乾燥期間での材料温度は一様赤外線乾燥で高かった。乾燥所要時間は一様赤外線乾燥で短かった。材料温度が熱風温度付近まで上昇するのに要した時間は、乾燥所要時間に比べて熱風乾燥では同程度だったのに比べて、一様赤外線乾燥ではかなり短く、材料温度の測定により乾燥終了を判断する際には、とくに赤外線乾燥では注意が必要であることが示唆された。
次に、平均化すれば先の一様赤外線乾燥条件と一致する周期的非一様赤外線乾燥条件下でのシミュレーションを、周期幅と基材厚みと基材質をパラメータとして高水蒸気圧下で実施した。その結果、基材の熱伝導性を利用すれば、赤外線発熱率の非一様性を十分緩和できる条件が存在することが示唆された。
キーワード:塗装、赤外線乾燥、熱風乾燥、シミュレーション、ハイブリッド乾燥特性曲線
定温熱風下における塗膜乾燥速度の相関法
今駒 博信・堀江孝史・山本 剛大・大村 直人
化学工学論文集 35巻6号pp.639-645(2009)
要 旨
定温熱風条件下における低風速低湿度片面熱風方式による揮発単成分系塗膜の回分乾燥速度曲線から,高風速高湿度両面熱風方式による回分乾燥速度曲線を推定するための相関法を提案した.提案した相関法は,(1)風速が変化する場合,(2)熱風方式が変化する場合,(3)湿度が変化する場合の3パターンで構成されており,(1)では相関パラメータnを含むものの,(2)(3)ではまったく含んでいない.また,その利用に際して塗膜内の移動物性は一切不要である
既往の数値計算手法に基づいた数値計算結果を数値実験結果とみなして相関法の妥当性を検討した.この際,Fick型拡散移動ならびに乾燥途中の固体化により生じた乾燥応力勾配を推進力する物質移動促進効果をFick型拡散移動に加味した非Fick型移動の2つの検討例に対して,低風速低湿度片面熱風方式による回分乾燥速度曲線から,高風速高湿度両面熱風方式による回分乾燥速度曲線を推定する手順を示すとともに乾燥速度曲線の推定を試みた.
その結果,本研究で提案した相関法による推定結果は,数値計算結果と良好に一致したが,その程度はFick型に比べて非Fick型で低かった.また,(1)ではFick型と非Fick型で共通した相関パラメータ値を得たことから,この値が他の場合でも適用できる可能性が示唆された.
キーワード: 乾燥特性曲線,乾燥速度,非Fick型物質移動,相関法,乾燥特性モデル
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