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「塗膜乾燥の理論とモデルとその応用」参考論文

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論文内容の自己評価

SS  たいへんよくできました

S  よくできました

無印  それなりにできました

 

(1)理論 Maxwell-Stefan (MS)

(2)予測技法 Fick型溶液塗膜乾燥

New! タイトル「Maxwell-Stefan式を用いた塗膜乾燥モデル式の導出」 SS

今駒博信・山村方人

化学工学論文集 印刷中(2013)

要 旨

塗膜乾燥分野では,これまで拡散係数の推算を伴う一般化Fick式(GF式)が利用されてきたが,本研究では,実測相互拡散係数を用いる一般化Maxwell-Stefan式(GMS式)の可能性に期待して,3成分塗膜乾燥過程を対象としたモデル式の提案を試みた.このとき,非浸透性基材上の塗布層乾燥に特有な以下の条件,塗布層底面における物質移動の体積流束が0であることと乾燥収縮が生じることを考慮した.

 

キーワード: 塗膜乾燥,多成分系拡散,膜分離,Maxwell-Stefan式,Fick

 

 

(1)理論 Maxwell-Stefan (MS)

(2)予測技法 Fick型溶液塗膜乾燥

(3)相関技法 異種基材間の乾燥速度相関法

New! タイトル「異種基材間塗膜乾燥速度の推定法」 S

 

今駒博信・河野和宏・堀江孝史

 

化学工学論文集 印刷中(2012)

 

要 旨

仮想2成分Fick型塗膜を対象に,低温熱風,高温熱風,赤外線を想定した低温熱風併用内部定率発熱の3つの場合に対してそれぞれ,基材の異なる塗膜のシミュレーション実験を行ったそれらの結果を用いて,実用的な塗膜乾燥条件の範囲内で,基材の異なりに起因する乾燥速度曲線の差異が生じる可能性について調査した.その結果,差異が生じる可能性は存在し,減率乾燥期間において塗膜に与えられた全熱量に比べて同期間における塗膜温度の上昇に要する顕熱量が大きいほど,基材熱容量の増加が減率乾燥速度の低下に及ぼす影響は大きくなることが解った.

続いて,異種基材間塗膜乾燥速度の推定法を提案した.この方法をシミュレーション実験結果に適用することで,基材を含む塗膜の乾燥速度曲線から塗布層のみの乾燥速度曲線の推定を試みた.その結果,推定結果はシミュレーション結果と良好に一致し,本研究で提案した推定法の有効性が示唆された.

 

キーワード: 塗膜,基材,減率乾燥速度,Fick型拡散,シミュレーション実験

 

(2)予測技法 多孔膜中ポリマーの乾燥偏析

(2)予測技法 スラリー塗膜乾燥 

(3)相関技法 材料温度変化法(熱風乾燥)

タイトル「塗膜乾燥における相関モデルの応用」 SS

今駒博信

化学工学論文集 381pp.1-12(2012)

要 旨

本研究は,筆者らが主として化学工学論文集で公表してきた,バインダー乾燥偏析,材料温度変化法,乾燥特性モデルに関する諸研究の紹介と今後の展望,「相関モデル」をキーワードとして,塗膜乾燥のモデル化に対する視点から試みたものである.

相関モデルとは,塗膜乾燥における複雑現象に対する研究成果を,生産へ迅速にフィードバックする目的で,筆者らが最近提案したものである.ここでの相関とは,物質とエネルギー収支式に基づいた現象内変数の相互関係を意味している.移動メカニズムと移動物性値の全容が明確でなければ利用できない予測モデルに対して,相関モデルでは,収支を行う領域を適切に変えることで,移動物性値の一部(a)または全部(b)が,極端な場合は移動メカニズム(c)が不要となるため,研究成果の生産への迅速なフィードバックが可能となる.

本研究では,(c)の例として湿り材料温度変化を用いて乾燥速度を推定する「材料温度変化法」,(a)(b)の例として乾燥速度を用いて乾き材料内のバインダー偏析を推定する「バインダー乾燥偏析推定法」を紹介した.両方法ともに集中定数系モデルに基づいている.両方法を組み合わせることで材料温度変化データを用いたバインダー乾燥偏析の推定が期待できる.

 

キーワード: 塗膜乾燥,相関モデル,材料温度変化法,バインダー乾燥偏析推定法,集中定数系モデル

 

 

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