神戸大学大学院農学研究科附属 食資源教育研究センター
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ご挨拶沿革センター案内組織図とメンバー



センター長・石井 尊生
 「農学研究科附属食資源教育研究センター・・・。附属ってことは、農学研究科にぶら下がっているセンターですか?」
 「違います。逆に、農学研究科・農学部の存在を約束しているセンターですよ。」

 文部科学大臣が定める大学設置基準(第39条)に、農学に関する学部を設ける大学にはその教育研究に必要な附属施設として農場を置くものとする、と示されています。つまり、附属農場のない大学には農学部は存在しません(これは、附属病院と医学部の関係と同じです)。そのため、附属農場の役割を負う食資源教育研究センターは、広大な土地を利用した農牧場実習を学生に提供し、農学に関する教育研究を行う使命を農学部の設立当初から担っています。

 今日、レストランや食堂に行けば、注文した料理を食べることができます。また、スーパーマーケットや食料品店に行けば、豊富な食材を購入して、自分で調理することもできます。特に都市部で生活していると、あまりにも簡単に食事ができてしまうため、食卓に上がった食材がどのように作られ、どのような経路で届けられているのか知る機会がありません。そこで食資源教育研究センターでは、農学部のスローガンである「農場から食卓まで」を実体験として学ぶ農牧場実習を通して、食と農業の大切さを教えています。

 食資源教育研究センターは、資源開発部門、連携利用部門、生産フィールド部門の3部門で構成され、教員7名(うち専任4名)、技術職員13名、事務職員5名が所属しています。土地の総面積約40ヘクタールのうち、約25ヘクタール(甲子園球場6.5個分)の耕地には、コメ・ジャガイモ・タマネギなどの作物、ナシ・ブドウ・カキなどの果樹および飼料作物が栽培されています。また、畜舎には約100頭もの黒毛和牛が飼育されています。実習では、学生達がこれら作物・果樹・畜産の3つの系の生産活動に携わることによって、繰り返し生産を行うことのできる食資源、つまり食につながる動植物資源の大切さを学びます。学生達が作業を手伝った生産物は、「神大のたまねぎ」、「神大のなし」、「神戸大学ビーフ」などの神戸大学ブランド農作物として販売されます。そのため学生達は、それら生産物が実際に店頭に並び、消費者の購入を経て、食卓に上がることを知ります。そして、消費者を意識した責任ある農作物生産から、学生達はさらに食の安全・安心の重要性についても関心を持つようになります。このように、「農場から食卓まで」を意識した実習は、学生達に新しいことを気づかせ、考えさせることを提供する場でもあります。

 食資源センターでの実習は、決して神戸大学の学生に限っているわけではありません。毎年、近隣の小中学生に対しても農業体験実習を行っていますし、近畿・中国圏の他大学の実習にも利用してもらっています。これからは、さらに多くの大学に有効利用してもらうべく、食資源に関する講義や実習の機会を提供し、食と農業の大切さを学んでもらえればと考えています。

 食資源教育研究センターの専任教員4名は農牧場実習の指導も行いますが、各自個別の研究テーマを持っています。研究対象は、家畜・作物・果樹・機械など多岐にわたり、指導学生とともに活発な研究を行っています。専任教員の研究発表論文ならびに学生の学位論文の題目の詳細は、ホームページの別のサイトに掲載されていますので、ご覧いただければと思います。

 以上のように、食資源教育研究センターは教育・研究・生産の3つの活動を基に、農学の発展に貢献したいと考えておりますので、皆様のご支援ならびにご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 
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